[1日 ロイター] - 米半導体大手アドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)は1日、第4・四半期までに競合エヌビディアに対抗できる人工知能(AI)向け半導体を投入する計画を明らかにした。。

引け後の時間外取引で、AMDの株価は約3.5%上昇した。

リサ・スー最高経営責任者(CEO)は、第2・四半期にAIへの関与が7倍以上増加したと指摘。さらに、AMDが第4・四半期にエヌビディアの「H100」に対抗する独自のAI向け半導体「MI300」の生産を増強する計画とした。H100はすでに発売されているが、供給が不足している。

スー氏は、MI300シリーズに対する顧客の関心は非常に高いとし、AMDは第3・四半期に「大手のクラウドプロバイダー、大企業、多数の主要AI企業」と提携を拡大したと述べた。

AMDの主力製品は性能面で、昨年導入された米輸出管理規則に基づく中国向け輸出制限の対象となっており、エヌビディアやインテルとは異なり、中国市場に特化した製品をまだ生産していない。

スー氏は投資家との電話会見で、AMDは中国のAI市場に商機の可能性があるとみていると述べた。

「米国の輸出規制を完全に順守するが、AIソリューションを求めている中国の顧客層向けに製品を開発する機会があると信じており、その方向で引き続き取り組んでいく」と語った。

AMDは詳細な通期見通しを示していないが、MI300の売上高を含むデータセンター事業の2023年売上高が、22年の60億4000万ドルを上回ると予想している。

エヌビディアとAMDの株式を保有するGPブルハウンドのポートフォリオマネジャー、ジェニー・ハーディー氏は、エヌビディアが依然として供給面の制約に直面していることから、AMDが第4・四半期にMI300を投入すれば強い需要が見込まれると話した。

第2・四半期のデータセンター事業の売上高は11%減の13億2000万ドルとなった。クライアント事業の売上高は前年同期の22億ドルから54%減の9億9800万ドルだった。

第3・四半期の売上高見通しは約57億ドル(プラスマイナス3億ドル)に達するという見通しを示した。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は58億2000万ドル。

ジーン・フー最高財務責任者(CFO)は第3・四半期について、「EPYCとRyzenプロセッサーの需要増にけん引され、データセンター、クライアント両部門の売上高がそれぞれ前期比で2桁の伸びになる見込みだが、ゲーミング部門、組み込み型のエンベデッド部門の落ち込みで一部相殺される」と述べた。