2023/7/30

【堂安律】あえてビッグマウス。成果を引き寄せる3つの秘密

編集者
かつて多くのトップアスリートが、大きな夢を掲げることでその名を知らしめてきた。
サッカー界では本田圭佑や長友佑都といった選手がその象徴だ。
ただ、そのやり方は簡単に真似できるものではない。批判も多いだろうし、何より大きな目標は「抽象的」すぎる。
特に、ビジネスや人生においてその姿勢に固執しすぎると、プロセスがないがしろにされやすい。
山頂ははっきりと見えているのに、道のりがまったく設計できていない──そんな状態だ。
ではビッグマウスを実行できるアスリートには何があるのか。
現在のスポーツ界でその方法をもっとも上手に使いこなしているのが、サッカー日本代表・堂安律だ。
3つのポイントからその秘密を探る。
INDEX
  • 取材班に見せたギャップ
  • 1:課題は勝手にクリアされている
  • 2:人に興味を持ち、知ろうとする。めんどくさくても
  • 3:大きな目標を共有する仲間をつくる

取材班に見せたギャップ

大きな目標を口にし、それを実行に移す。プレッシャーは並大抵ではないことは想像できる。若くて、金髪。賛否を呼びやすいタイプでもある。
堂安律はビッグマウス――そんなイメージを持つ人も多いだろう。
自著のタイトルは『俺しかいない』
カタールワールドカップ、金星となったドイツ戦後は「決めるのは俺だと思っていた」と言い、スペイン撃破のあとには「偶然じゃなく必然だ」と言い切った。
はじめに断っておくと、実際に会った堂安はそんな雰囲気を微塵も感じさせない。
取材は、自身の運営するフットサルコートの事務所で行われた。
シーズンが終わり、6月の代表シリーズを戦い終えたばかり。
疲れもあるだろうに、堂安は取材班に「狭いところですみません。みんな入ってください」と笑顔で声を掛けた。
日本代表としてカタールワールドカップをともに戦った長友佑都が以前、「どことなく自分と似ていて、好きなんですよね」と堂安のことを評していた。「かわいいやつなんです」と。
パブリックイメージとは違ったその一面もまた、魅力の一つだ。
ちなみに堂安と長友は仲がいい。長友自身も「ビッグマウス」と言われるから波長が合う
……というわけではない。