スウェーデンのNATO加盟決定 トルコが同意、「歴史的一歩」
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トルコは、クルド労働者党(PKK)に対するスウェーデンの扱いに不満を表明していましたが、この点で大きな改善が見られたとは思えません。トルコはスウェーデンのNATO加盟とトルコのEU加盟をリンクさせてきた、とも伝えられていたので、トルコ・EU関係で何か取引があったのかもしれません。
エルドアン大統領は今国内経済立て直しが最優先課題だと思いますので、対米、対EU関係の改善が自国経済にプラスになる、またはそうなるような取引を米国やEUとの間で結んだ可能性もあるでしょう。
バイデン大統領はトルコにF-16売却を認めることをオファーしたと伝えられていますが、それだけではないでしょう。トルコとしては、スウェーデンのNATO加盟を認めるというのは非常に大きな外交カードですので、それを手放す以上、それに見合う見返りがあったはず。それが何だったのか、引き続き注目したいと思います。エルドアン大統領は、「スウェーデンをNATOに入れるなら、トルコをEUに入れろ」という無茶な交換条件も提示していましたが、結局、いくつかの交換条件で落ち着きました。
NATOの公式声明によると、
・スウェーデンは憲法を改正して、クルド人武装勢力に属する亡命者をトルコへ引き渡せるようにする。
・スウェーデンはトルコへ兵器を輸出する。
・スウェーデンはトルコと経済貿易連携協定を結ぶ。
・スウェーデンはトルコのEU加盟を支援する。
といった交換条件で落ち着きました。
「テロとの戦いを推進」という言葉が繰り返し出てきますが、これはトルコ政府の文脈では、主にクルド人武装勢力を弾圧することを意味します。
https://www.nato.int/cps/en/natohq/news_217147.htmクルド人の問題を巡ってスウェーデンのNATO入りを阻んでいたトルコが一転、加盟を認めることに。
これでスウェーデンの「武装中立」という歴史は幕を閉じることになり、世界最大の軍事同盟の一員になることが決まりました。詳しくは過去に以下の記事でも解説していますが、これはかなり大きい話です。
【3コマ解説】北欧2カ国のNATO入りはなぜ「歴史的」なのか
https://newspicks.com/news/7081852
さて、気になるのはトルコが何を得たか。エルドアン大統領はどんなことでも自分に有利に働かせようとする強かさを持っています。直近ではバイデン大統領からも働きかけがあったようですが、エルドアン側は「スウェーデンをNATOに入れるなら、トルコをEUに入れろ」という交換条件を示していました。
難航必至だったトルコのEU加盟に何らかの動きがあったのか、続報にも注目です。