フランスで異例のM5超の地震 数百の建物が破損
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ワインで有名なボルドーの北100kmほどの場所が震源地で、コニャックの北西側のあたりとなります。
地震の規模は米地質調査所によればMw4.8(モーメントマグニチュード)とされており、フランス当局の発表との乖離が大きくなっていますが、これはフランス当局が古いマグニチュードであるリヒタースケールを使っているからかもしれません。発震機構は横ずれ型でしたが、震源の深さが5kmとされており浅い場所での地震であったため、局地的には揺れが大きな場所があったと思われます(日本でいうところの震度5強程度となっていたことも考えられます)。普段地震が少ない場所ですので、古い建物も多く日本ほどの耐震基準もありませんので、建物へのダメージがあっても不思議はありません。
ところで気になる地震のメカニズムですが、日本と違い目立ったプレート衝突はないように考えられるものの、実はプレートの衝突で今も造山運動の続くアルプス山脈を南東に抱えており、また南にはさらに古い時代の大陸移動による褶曲が発達したピレネー山脈があります。こうしたプレートの動きによる応力の関係から、フランスは北西部のブルターニュ地方から南東に向かって断層が発達しています。今回もこうした断層のうちの一つが動いたものと考えられます。もっとも日本と違いかかる力が小さいため、M6以上の地震が発生することはほぼありません。
なおイタリアやイベリア半島南部はもろにプレート境界に位置するため、地震や火山の影響は他のヨーロッパに比べて格段に多く受けています。シチリア島に至ってはユーラシアプレートとアフリカプレートの衝突の最前線にあり、活発な火山活動が見られることも有名です。