2023/6/17

【深井×橋爪大三郎】改めて考える。資本主義の定義と種類

COTEN代表の深井龍之介さんがホストを務める連続対談「a scope」。昨年好評を博した第1章「リベラルアーツ編」は、その後対談が書籍化された。
第2章「資本主義の未来編」では、毎回第一線で活躍する論客をゲストに迎え、近年顕在化してきた資本主義をめぐるさまざまな問いに挑む。
資本主義は悪なのか、はたまた限界を迎えているのか──。
12人目のゲストは、社会学者で大学院大学至善館教授の橋爪大三郎氏。
宗教論から現代社会論まで幅広く研究されている橋爪氏には、まず資本主義の大前提である「経済」、「商品」、「資本」とは何かからお聞きし、各国の資本主義の違いについて解説いただいた。対談内容を前後編でたっぷりとお届けする。
本企画はPodcastで「完全版」を無料配信します。深井さんと橋爪さんの対談を全4回で配信。第1回第2回第3回はリンク先からお聞きください。
INDEX
  • 資本主義の正体とは
  • 資本主義はなぜ生まれたか
  • 「ヘンテコ」資本主義化が進む
  • 中国が進めた「市場経済」化
  • 中国「2重構造」が生む歪み

資本主義の正体とは

──今回のゲストは社会学者の橋爪大三郎さんです。シーズン1でもお越しいただきました。
深井 シーズン2のテーマは「資本主義」です。
最初に、橋爪先生が資本主義をそもそもどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。
橋爪 資本主義がこれからどうなるのか、関心が集まっているのはいいことです。
でもその前に、「経済」とは何か、「商品」とは、「資本」とは何かを片づけておきましょう。
ここがあやふやだと、なにを考えてもあやふやになる。
橋爪 大三郎(はしづめ・だいさぶろう)/大学院大学至善館教授。1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京工業大学名誉教授。宗教論から現代社会論までカバーするジャンルは幅広く、共著も含めると著書は100冊を超える。『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸氏との共著)、『死の講義──死んだ らどうなるか、自分で決めなさい』など。
まず、「経済」とは何でしょう?