(ブルームバーグ): クラウドベースの顧客管理(CRM)ソフトウエアを手掛ける米セールスフォースは、自社製品で生成AI(人工知能)機能を強化するほか、AIのスタートアップ企業への投資を倍増する。AI強化により売り上げのてこ入れを図りたい考えだ。

セールスフォースは12日、同社が立ち上げた生成AI特化のベンチャーキャピタルファンドの規模を5億ドル(約700億円)と、3月に発表した当初の2億5000万ドルから拡大すると発表。さらに、自社のAIツールのポートフォリオを「AIクラウド」と名付け、「セールス・クラウド」や「サービス・クラウド」といった他の主要な製品ラインと同等の位置付けとする。

セールスフォースは人員削減や幹部の退社、アクティビスト(物言う投資家)からの圧力など厳しい状況に見舞われてきたが、このところは多くの株主の間で信頼が回復しつつあり、株価は年初から今月9日終値までに62%上昇した。ただ同社が5月31日に示した売上高見通しがさえない内容だったことから、投資家の間では懸念も広がっている。

セールスフォースがさえない売り上げ見通し、利益重視背景に-株下落

マーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)は直近の決算発表後の記者会見で、クラウドコンピューティングやそれ以前の携帯端末アプリのように、生成AIは「極めて大きなテクノロジーの買いサイクルを新たに生み出すだろう」と述べていた。

原題:Salesforce Touts AI Strategy, Doubles Investment in Startups(抜粋)

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