[東京 9日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は9日、衆院財務金融委員会で、物価見通しについて7月の金融政策決定会合で議論する展望リポートに向け、さまざまなデータや情報を丹念に精査していきたいと述べた。野田佳彦委員(立憲民主党・無所属)の質問に答えた。

4月の展望リポートでは、2023年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の政策委員の見通し中央値は前年度比プラス1.8%。年度半ばに向けてプラス幅を縮小していくとの見方を示した。

ただ、値上げの継続や賃上げでこの見通しが上方修正されるのではないかとの見方が市場で強まっている。植田総裁は、物価見通しには「様々な不確定性がある」と指摘。企業の価格設定行動や春闘での高い賃上げ率を挙げ、4月の展望リポートで23年度については上振れリスの方が大きいと記したと説明した。

植田総裁は、政策の効果・副作用双方に目配りして「バランスの良い政策運営に努めたい」とも述べた。

(和田崇彦)