米雇用者数は予想上回る、賃金鈍化-強弱まちまちで利上げ休止か
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雇用者数の増加33.9万人は企業調査の給料を支払った人の数です。一方、家計調査で働いているかどうかを尋ねる調査では31万人も減少しています。労働参加率は同じです。この結果、雇用者数は大幅増加したのに失業率が前月比0.3%もの大幅な上昇となりました。仕事の掛け持ちや副業が増加した結果だとみて良いと思います。実際の雇用の増加は、10-15万人が実相だったとみて良いと思います。週労働時間は前年比1%もの大幅減少、平均時給は前年比4.3%とやや上振れです。企業は、中長期的な人手不足に対応するため雇用者数は確保しつつ、残業時間を減らしていると考えられる。総合評価としては、雇用はごくゆっくりと減速を続ける中、賃金はごくゆっくりとしか下がらない、まあ一言で言うと、これまでのトレンドの通りという理解で良いと思います。
ダウ700ドル高。「雇用者の数字が良い=景気が良い」わけですので米景気後退の懸念は弱まります。更に、雇用統計の発表前に、米国の6月の利上げはスキップし、7月に再度0.25%の利上げの見通し発言があったことも株高に影響しているでしょう。
5月の雇用統計は33万増(予想は19万人増)と予想を大幅に上回りました。6月は利上げ停止である上に、雇用の数字も良いとなれば株価は強くなります。では、この良い雇用統計を受けても、失業率は増加に転じていることから、6月もやっぱり利上げとはならないでしょう。もし、ここのシナリオに今後変化があるかも注目点です。視点は次回のCPIの数字に移っています。雇用者数が予想よりも増えたことで、景気後退懸念が払しょくされ、また、平均時給の伸びが低かったことで、インフレの鎮静化・利上げ停止への期待が高まるという、株式市場にとっては、好都合な解釈ができる結果になったと思います。