コロナ前の長期低金利環境、新常態に移っている可能性-日銀総裁
コメント
注目のコメント
タイトルだけ見ると、デフレが終わり・低金利が終わるかのようなニュアンスの発言を植田総裁がしたかのように見えます。しかし、判断するには色々な材料が必要だという、これまでの植田総裁の意見と変わりなさそうです。植田総裁は『現在は高水準にあるインフレがやがて落ち着き低金利の時代がまだ続く見方』と『人々の物価観などの変遷により従来の低金利の時代からは変わっていくとの見方』のどちらもあるとします。GDPギャップなどの指標を見てこれから判断するとの事でしょう。
これは相当に勇気のいる発言だと思います。世界的には、低金利の前提である自然利子率は低いまま変わっていない、がここ数年で国際金融界で作られたコンセンサスとなっています。これに異議を述べたことになるからです。FRBは長期の政策金利は2%で変わっていないと、公式に表明しています。うがった見方をすれば、そんな事は100も承知で、日本ではもはや低金利は続けられなくなる可能性が本当に出てきた、と遠回しに言ったとも取れます。
薄皮を剥がすかのように、少しずつ少しずつ、こういう感じの当たり障りなさそうなコメントを何度も何度も繰り返していくうちに、気がついたら金融緩和修正にリーチが掛かっていた、という状況に持っていく。
そのくらいの、悪く言えば、ペテン師的な才がないと務まらないよ。それを丁寧な言葉でいうと「説明を尽くす」というのよ。