[デトロイト 26日 ロイター] - アジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合は26日、包括的で持続可能な貿易を促進することで一致したものの、ロシアと中国がウクライナに関する文言に反対したため、共同声明には合意できなかった。

APEC議長国を務める米国のタイ通商代表は、共同声明の代わりに協議内容をまとめた議長声明を発表。「われわれは自由で開かれた、公正で差別のない、透明で包括的かつ予測可能な貿易・投資環境を提供するという決意を再確認する」と表明した。

また、世界貿易機関(WTO)を中核とするルールに則った多国間貿易システムへのコミットメントを再確認。「われわれは良好な貿易・投資環境を醸成するために公平な競争を確保する努力を続けるとともに、市場の開放を維持し、サプライチェーン(供給網)の混乱に対処するためのコミットメントを再確認する」とした。

昨年11月にバンコクで開催されたAPEC首脳会議では、ウクライナ戦争とそれに伴う人的被害や経済的影響を「ほとんどの加盟国が」強く非難するという文言を承認した。

しかし、今回の会合では中国とロシアがこの文言を入れることに反対。議長声明は、見解の相違があったとした上で、「APECは安全保障問題を解決するフォーラムではない」とした。

タイ氏は記者会見で、11月にサンフランシスコで開催されるAPEC首脳会議では共同声明が発表できることを望むと述べた。