【秘話】北欧出身の私が南米を旅して、Uberの幹部になるまで
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各地の市場を経験してきた事業家によるインタビューで、いくつか印象的な点がありました。
ひとつめは、ヒェルトンソン氏がスウェーデン出身、南米を横断、チリで留学、カリフォルニアにも住み、その後、チリとメキシコで事業を展開と、様々な国を歩き、生活を経験されていたこと。チリとメキシコで事業をやると決めたときも、他の南米諸国との自然に比較する目が備わっていたのかなと想像しました。
二つ目は、事業の最初のフェーズでは売上に苦労しながらも、サービスの品質にこだわり続けたと述べている点です。マーケティングに使えるお金もないので、信頼できるサービスや楽しい商品を作り、口コミで評判が広がっていったと述べており、当然だけれども簡単ではないことを諦めずにやってきた起業家としてのやり抜く力を感じます。
みっつめは、日本の市場に対する見方です。日本のユーザーは便利だと思ってもすぐに使うようにはならない、「頭の片隅に置いておいて、やがて試し始めるという感じ」と表現しています。新たなテクノロジーやサービスに対して、他の国のユーザーよりはやや反応も遅い、だから時間がかかると冷静に分析しているのは様々な市場を経験してきたゆえかなと思いました。彼の人生がとにかく面白かったので、「起業家ストーリー」も含めたインタビュー記事に仕上げました。いろいろなテーマが混在していますが、その中から何かヒントが見つかれば幸いです。
特集の本論で言うと、ヒェルトンソン氏が言っていた、買い物デリバリーサービスは「日本では誰も狙ったことがない市場」ということと、「どこかの時点を越えると、ユーザーが一気にハマっていく」という趣旨は、日本でも当てはまるだろうと思っています。
ここからは半分余談ですが、彼の人生からは、チェ・ゲバラの若き日の南米旅行を描いた映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』を思い出したりもしました。
ちなみに、Uber側はオフィシャルな会話では嫌がりましたが、彼とはスペイン語でもいくつか会話しました。しっかりチリっぽいスペイン語を完璧に話し、「今度セルベサ(ビール)を飲みましょう」とスペイン語圏らしいあいさつで締めてくれました。“当時、スウェーデン人はもちろん、多くのヨーロッパ人が、半ば強制的に(笑)バックパック旅行をしていた時期でした。”
これは気になります。半ば強制的の背景が知りたい。
日本人のパスポート取得率は2022年に17%まで低下しました。コロナ禍前の2019年で23%で、もともと低く、2割程度しか海外に行ける状態ではありません。世界中の誰もが羨むほどの最強パスポートを発行されるにもかかわらず。
正確な統計がないので数値遊びの推計しかできないですが、おそらく20代のパスポート保有率は5割程度あります。若者が海外へ出ていないは、おそらく何かの誤解で、そんなことはないが、何を目的とし、どう社会還元されているのかのアプローチが見えにくいのが問題だと考えます。なにせ、外務省が発表しているのは、発行数であって保有されている有効数ではないので。
見える数値は改善できる!見えない数値は改善できない。日本の外に出ることがとても大事だと思います。そのうちの一部が帰ってこなくなっても問題ない。日本というブランドが世界に広がっていくのですから。