(ブルームバーグ): 米フロリダ州のデサンティス知事は24日、2024年大統領選に出馬するための書類を連邦選挙委員会(FEC)に提出し、立候補を正式に表明した。これまでの共和党候補者の中では、トランプ前大統領の最大のライバルとなる見通し。

デサンティス氏は同日遅くにツイッターの音声リアルタイム配信機能「スペース」でイーロン・マスク氏と対談した。開始直後には多数のリスナーが殺到し、システム障害が発生したが、別のアカウントで再開。現時点でトランプ氏が共和党候補者の中で最有力と大方の世論調査で示されている中、デサンティス氏は党候補指名獲得レースに参戦した。

出馬表明に当たりツイッターに投稿した動画でデサンティス氏は、「国境は大惨事だ。犯罪がわれわれの街にはびこっている。連邦政府は家計のやりくりを難しくし、大統領は四苦八苦している。だが、衰退は一つの選択肢に過ぎない。成功は手に入れられるし、自由は勝ち取る価値がある」と主張した。

同氏は選挙動画で、フロリダ州知事としての自身のリーダーシップを全米の青写真だと位置付け、「文化戦争」を巡る対決にも言及した。同氏は知事として、妊娠6週目以降の中絶を禁止する法案に署名したほか、州最大の雇用主で納税者でもあるウォルト・ディズニーと係争中。多様性への取り組みやジェンダー教育を巡って公立大学や教員組合に異議を唱えている。 

資産家マスク氏との対談は、デサンティス氏がソーシャルメディア時代のために構築した非従来型選挙戦を進める方針の表れであり、マスク氏が買収したツイッターで広がる「文化戦争」論争を中心に据える考えを浮き彫りにしている。

世論調査での支持率低下に加え、トランプ氏からの激しい批判にさらされる中で選挙戦をスタートしたデサンティス氏(44)は、今回の発表で注目を集めることを狙ったが、マスク氏と手を組むことでそれなりのリスクも伴う。

言論の自由の提唱者と自称するマスク氏は物議を醸すようなスタンスから、オンライン上の挑発者としての役割を担ってきただけに、バイデン大統領との本選に進んだ場合にデサンティス氏が必要とする無党派や郊外の有権者に敬遠される恐れがある。

24日に発表されたキニピアック大学の世論調査によると、トランプ氏は3月終盤以降、デサンティス氏に対するリードを2倍に広げており、共和党および共和党寄りの有権者の間の支持率は47%から56%に上昇した。一方、デサンティス氏の支持率は25%と、3月の33%から低下した。

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原題:DeSantis Makes 2024 Presidential Bid Leaning on Culture Wars (1)、DeSantis Joins 2024 Presidential Race in Challenge to Trump (3) (抜粋)

--取材協力:Mark Niquette、Bill Allison、Gregory Korte.

(マスク氏との対談やツイッターに投稿した動画での発言などを追加して更新します)

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