2023/5/25

【脳科学】便利な「デジタルツール」が生産性を奪う理由

NewsPicks編集部 記者
いまどきのオーバーワークを語るうえで避けて通れないのが、オンライン会議やビジネスチャットといったデジタルツールの存在だ。
コロナ以降急速に普及したこれらのツールによって、業務の効率は間違いなくアップした。一方で、その便利さがオーバーワークに拍車をかけているという現実がある。
いったい、デジタルツールはどのように私たちに負荷をかけるのか? 脳研究者であり、人材・組織マネジメントの専門家でもある、早稲田大学理工学術院教授の枝川義邦氏に、その「5つのカラクリ」を聞いた。
INDEX
  • ①スケジュールの過密化
  • ②移動がない
  • ③仕事相手と常時接続
  • ④頻繁なメールチェック
  • ⑤デジタルマルチタスキング
  • 本当のタイムマネジメントとは

①スケジュールの過密化

いまどきの「お仕事用デジタルツール」がはらむ問題は、大きく分けて2つあります。
まずひとつは「ツールを使えばもっと仕事ができるだろう」という発想が、オーバーワークにつながっている点です。
その最たる例が、移動時間がないのをいいことに、ほとんどインターバルを入れずにオンライン会議を詰め込んだりすることによって起きる「スケジュールの過密化」でしょう。
スケジュール上、「会議1時間・移動30分・商談1時間」というのは、「オンライン会議1時間・オンライン会議30分・オンライン商談1時間」とそう変わらないように見えますが、その実、疲れ方はまったく違います