[ディアボーン(米ミシガン州) 22日 ロイター] - 米自動車大手フォード・モーターは22日、電気自動車(EV)バッテリー用リチウムに関する新たな供給取引を明らかにした。2026年までにEV生産を200万台に引き上げる目標の一環で、米EV大手テスラとの差を縮めることを狙う。

フォードは現在、競合他社と比べてEVのコストで大幅に不利な状況にあり、対応に取り組んでいる。

ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は投資家向けのイベントで「私たちの大きな賭け、他の企業とは異なる賭け」の概要を説明。環境対応車への需要が高まる中、北米自動車メーカー各社はEV生産拡大に向けて電池材料の供給を確保し、米国での税額控除を利用しようと競っている。

今回発表された取引は、フォードが「直接リチウム抽出法(DLE)」技術への投資拡大を示した。

素材供給企業のアルベマールとネマスカ・リチウムは、EV用電池に使う水酸化リチウムをそれぞれ5年間、11年間にわたって供給する。

アルベマールは今後のフォード製EVバッテリー約300万台分の水酸化リチウムを供給すると発表した。

フォードのリサ・ドレーク副社長は、今回の合意は新興企業への投資に依存するよりもリスクが大幅に低減できると訴えた。