(ブルームバーグ): バイデン米大統領は、連邦債務の上限問題を巡り、マッカーシー下院議長と米東部時間21日午前に協議を行う。事情に詳しい関係者が明らかにした。主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)出席のために訪問した日本を出発後、大統領専用機「エアフォースワン」から電話会談する。

マッカーシー下院議長は20日、ホワイトハウスが交渉で姿勢を後退させたと批判し、主要7カ国首脳会議(G7サミット)出席のため広島入りしているバイデン大統領がワシントンに戻るまで、協議の進展は望めないと述べていた。

ホワイトハウス当局者によれば、バイデン大統領はワシントン時間20日夜(日本時間21日午前)にかけ、膠着(こうちゃく)する交渉の最新情報を受け取っており、下院議長との21日の電話協議を調整するよう側近に指示したという。ホワイトハウスによると、日本時間21日遅くにワシントンに向け出発する予定。

マッカーシー下院議長は連邦議会議事堂で記者団に対し、「大統領が帰国するまで前進できるとは思わない」と発言。「前日からきょうにかけて彼らは後退した。実際のところ、彼らは今年より歳出を増やしたいと考えている」とホワイトハウスを批判した。

一方、ジャンピエール大統領報道官は、マッカーシー議長のチームが19日に示した予算の提案こそ「大きな後退」であり、上下両院を通過できないような極端に党派色の強い要求を含んでいると反論する声明を20日に発表した。

議会共和党は、債務上限引き上げの条件として、歳出削減を要求している。関係者2人によれば、来年度の非国防および国防関連の裁量的経費を2023会計年度との比較で横ばいに抑えるとしたホワイトハウスの提案を共和党側は拒否した。

マッカーシー下院議長らが前年度比で非国防支出の削減を求めているのに対し、インフレを考慮すれば、横ばいに抑えることは実質的削減を意味するとバイデン政権と民主党は主張している。

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原題:Biden to Speak With McCarthy on Stalled Debt-Limit Talks (1)、McCarthy Sees No Progress on Debt Talks Until Biden Returns (3) 、White House Calls Republican Budget Pact Offer ‘A Big Step Back’(抜粋)

--取材協力:Justin Sink.

(電話会談が設定されたとの情報を追加して更新します)

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