[18日 ロイター] - 米小売大手ウォルマートは18日、2024年1月期の通期決算の売上高と利益の予想を引き上げた。消費者が食品など必需品で割安な商品を求めていることが背景にある。

売上高の見通しは前期比約3.5%増と、従来の2.5%─3%から引き上げた。1株当たり利益は6.10ドル─6.20ドルと、従来の5.90ドル─6.05ドルから引き上げた。

リフィニティブのデータによると、市場予想の平均は6.16ドルだった。

同業のターゲットやホームデポが消費者需要の低迷を理由に慎重な見通しを示したのとは対照的に、ウォルマートは第2・四半期の業績見通しも市場予想を上回った。

ウォルマートはこれまで、第1・四半期決算発表時に通期見通しを引き上げることはなかった。ジョン・デイビッド・レイニー最高財務責任者(CFO)は「現下の特殊な環境下で、継続的な枠組みを提供することが重要」と判断し、この伝統を破ったと指摘した。

同CFOは「消費者の購買力が低下しているため消費者の収入や財布の中身が食品に向けられており、一般消費財の販売が減っている」と述べた。

ウォルマートはサプライヤーに最安値を求めると同時に、スーパーセンターの改装を行い、ウェブサイトやアプリのデザインも一新。会員制プログラムにも多額の投資を行い、配送料無料やガソリン値引きなどの特典を提供した。

ダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は決算後の電話会見で、「低価格と食料品の配達や店舗受け取りといった利便性の両方を求める富裕層やZ世代顧客の獲得に貢献した」と述べた。

同時に発表された第1・四半期(23年2─4月)決算で総売上高は前年同期比7.6%増の1523億ドルと、市場予想の1487億6000万ドルを上回った。

調整後の1株当たり利益は1.47ドルと、予想を上回った。営業利益は17.3%増。