[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦取引委員会(FTC)は16日、バイオ医薬品会社アムジェンが希少疾患用バイオ医薬品メーカーのホライゾン・セラピューティクスを278億ドルで買収する計画を阻止する訴訟を起こした。

買収反対の理由についてFTCは、販売額の大きい医薬品を手がけるアムジェンがその立場を利用し、医療保険会社や薬剤給付管理会社に対してホライゾンの主力製品の価格設定で有利になるよう圧力をかける恐れがある点を挙げた。

FTCは以前、両社で重複する事業のどちらかを売却する条件で買収を是認する意向を示していたが、方針を転換した形だ。

元FTC委員長のウィリアム・コバチッチ氏は電子メールで「FTCは製薬業界の合併をより注意深く点検する決意を示した」と指摘。和解を通じた妥協ではなく、買収阻止に動いたことは、過去の和解で競争上の問題解決が不十分にとどまったとFTCが考えていることが読み取れると付け加えた。

アムジェンは声明でFTCの決定に失望を表明するとともに、この案件が何も競争上の問題を抱えていないことは「十分過ぎるほど証明されてきた」と信じていると述べた。

同社は今年前半中に買収手続きを終えられると期待していたが、今後は12月半ばまでの手続き完了を目指すとしている。