首相、半導体投資・連携を要請へ…18日にも米台韓など大手幹部に
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注目のコメント
本件に関しては日経にわかりやすい記事が出ていますので、そちらの記事も参考にしながらコメントしたいと思います。
【参考】
半導体業界地図 製造は衰退、装置は人材倍増の日本
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC284DT0Y3A320C2000000/
ひとえに半導体と言っても世の中には色々な種類の半導体が存在しており、その分類方法も様々です。
皆さんにとって一番わかりやすいのは「機能」による切り口ではないでしょうか。
数値演算に向けたロジック半導体、情報を記録するメモリ半導体、大きな電力をスイッチングするパワー半導体、様々な物理量を検出するセンサー向け半導体などが存在しています。
今回岸田首相が面会する半導体大手メーカーは、ロジック半導体、メモリ半導体を中心に手がけている企業となります。
ここで、もう一つの切り口である「回路線幅」に着目してみます。
ロジック半導体、メモリ半導体ともに高速な演算、データの読み書き、そして消費電力低減を実現するために、非常に細い線を使って電子と呼ばれる荷電粒子をやりとりしています。
その幅は原子が10個ほどの2nmという非常に小さいものであり、そのような半導体を作ることができるメーカーは多くありません。
最近話題になっているRapidusは、この最先端技術を日本で実現するために設立されています。
さて、今回岸田首相がこれらの最先端技術で勝負しているメーカー首脳と面会する意味としては、日本が世界でプレゼンスを示せている「製造設備」と「素材」の活性化を促す意味があるのではないかと感じます。
英調査会社オムディアが22年に公表したデータでは、世界における半導体出荷額は2020年に4736億6300万ドルであり、2025年に7235億3200万ドルまで増える見通しとのこと。
伸びゆく業界において、製造設備の日本企業シェアは現時点で30%弱あります。
一方、素材を見てみると、半導体材料であるシリコンウエハーの国別売上高シェアでは56.3%と半分以上を握っています。
露光工程に欠かせないフォトマスクの売上高シェアは23%です。
日本の先端半導体を取り巻く際たる課題は国内に顧客がいない点。
製造設備と素材を有効な交渉カードとして示しつつ、岸田首相には大口顧客の気を引いていただきたいです。ラピダスの客となりそうなメーカーがいません。なぜ、NvidiaやQualcomm、AMDのトップと会わないのでしようか?ラピダスのコンペティターやサプライヤーと会っても仕方ないでしょう。誰もアドバイスしない、できないのは、情けないですね。
日本ほど半導体製造に適した土地はないでしょうから、今後増えそうな予感。
人、空気、水、素材、電力、、、色々融通がきくけど、問題は自然災害が多いってイメージが強い事ですかね~