楽天G、公募増資などで最大3321億円調達へ 財務基盤強化
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昨日のロイターによる公募増資の憶測記事がありましたが、本日の会社の公式発表によると、公募増資に加え第三者割当(三木谷家、サイバーエージェント、東急)で手取概算額合計上限332,177百万円とのこと。
別の記事にもコメントしましたが、特定の投資家に経営戦略を理解されれば良い第三者割当だけではなく、広く株主を募る公募という形を取ったのは、それなりのエクイティストーリーをマーケットに問う準備ができたということでしょう。
一般的に増資で株式市場が受け入れられるとされる範囲に収まってはいるものの、既存株主にとっては大きな希薄化であることは事実。希薄化を補ってなお一層の株主価値向上のストーリーを見せる必要があります。
ECと金融は順調、課題のモバイルユーザー増にはローミングとプラチナバンドという解を得たところです。もう一つの課題が財務で、この解が増資。
「モバイルがある楽天エコシステム(経済圏)はすごい」と、グローバルな投資家に理解してもらえるか、正念場のロードショーがこれからはじまります。第三者割当に、サイバーと東急が入っているのが興味深い。
サイバーについては、村上ファンドやGMOなどが買い進めたときに、楽天が10%投資した際(下記)の恩返しだろうか?今回の募集の4%くらいで、3000億円調達としたときに約120億円。
https://shuchi.php.co.jp/article/9210
東急は、楽天本社が二子玉にあることなどの絡みも含めてか。
一方で、日本郵政や、ローミングで組んでいるKDDIなどは入らず(KDDIは同じ通信業といったところで引き受けられないなどもあるかもしれないが)。
そして増資後の持ち株比率として、三木谷家で28.09%となる。これまで33.67%で株主総会で2/3以上の賛成を必要とする特別決議事項は必ず否決出来た構造からは変わる。
ただ今回引き受ける資産管理会社の株主はご子息のようで、増資をタイミングとした相続的な側面もありそう(詳しくない領域だが)。社債などの償還費用とキャッシュアウトとなるローミング費用を払うための一時的な資金調達であり、今回の公募増資によって何か前向きな展開に発展するとは考えにくいですね。他の事業が好調なだけに、どこまでモバイル事業を引っ張るのかは外部だけでなく内部の人間も気になるところでしょう。