2023/5/13

【爆増】世界は今、ニッポンに旅行したがっている

NewsPicks編集部 記者
日本のインバウンドが復活し始めている──。
ゴールデンウィークの帰省や旅行先で、外国人旅行客を目にしたPicker(読者)も多いのではないだろうか。
2023年3月に訪日した外国人旅行客は181万人。2019年3月と比べて約66%にまで回復した。今後、さらに増えていくことが見込まれる。
日本の数少ない成長産業と言われて久しい「インバウンド(訪日外国人旅行)」が帰ってきた。
ただ、インバウンド関連産業はコロナ禍で大きなダメージを受け、人手不足が深刻で、いわば「病み上がり」の状態だ。
世界からの「ニッポンに旅行したい」という熱い要望に応えられるかが、課題になっている。
今週の週末特集は、インバウンドの現在地をポイントを絞ってお伝えしていく。
INDEX
  • 一人当たりの支出は「完全復活」
  • 人気はやっぱり「体験ツアー」
  • 課題は「人手が足りない」こと
  • 富裕層旅行を「理解できていない」
  • 日本人が「稼げない」危機感
  • 鍵は「言語と柔軟性」

一人当たりの支出は「完全復活」

まずは、インバウンド回復の現状を押さえておこう。下の4つのグラフを見てほしい。
前述の通り、訪日する外国人観光客数はコロナ前の水準の「3分の2」まで戻っている(グラフ1️⃣)。2019年には国別で最も多い959万人が訪れていた中国からの旅行客が規制で急減しているのにもかかわらず、である。
消費総額については、9割まで回復している(グラフ2️⃣)。一人当たりの訪日外国人旅行支出は、円安やリベンジ消費、ホテル宿泊料金上昇の効果もあって、21万2000円に達している(2023年1〜3月)。
時期が異なるため単純には比べられないものの、2019年の一人当たりの平均支出15万9000円から5万円以上増えている。