[東京 10日 ロイター] - 10日の株式市場で任天堂が軟調となっている。一時1.2%安に下落した。同社は9日、2024年3月期の連結営業利益が前期比10.8%減の4500億円になる見通しだと発表し、手掛かりになった。

IBESがまとめたアナリスト21人の予想平均値4719億円を下回った。ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売減速や円高が響く。今期のスイッチの販売台数は16.5%減の1500万台、ソフトウエアは15.9%減の1億8000万本を見込む。

一方、株価の下落幅はこれまでのところ限られており、市場では「株価は予想外に健闘している。決算の数字は表面上はあまり良くないが、マリオ映画への市場の期待が強いようだ」(東洋証券の安田秀樹シニアアナリスト)との声が聞かれる。

日本で4月28日に公開された映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」については業績に織り込み済みとしたが、古川俊太郎社長は会見で「興行成績が現在のレベルまで達するというのは全くの予想外」との認識も示した。

スイッチがライフサイクルの後半にあることで下振れが意識される局面ながら、マリオ映画の好調で「イメージが一変したかもしれない」(安田氏)との見方もある。