「親3人」から子、英国で初誕生 難病の遺伝予防へ核移植
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実際に使われ始めているのですね。
遺伝子的に3人の親を持つ子とは、ミトコンドリアの部分の遺伝子を第三者のものに置換することで生まれた子です。ミトコンドリア置換法は、ミトコンドリアDNAに突然変異がある場合の遺伝子疾患を回避するために開発された技術で、親の卵子ともう1人の精子からDNAを取り出し、ドナー由来の健康なミトコンドリアを組み合わせて胚を作ることによって、3人のDNAを持つ胚を作り出すもので、子供が持つ可能性のある遺伝子疾患を回避することができるものです。
一方で、不妊の原因の一つにミトコンドリアが深く関係しているということで、不妊治療にも活用できるのではないかというので再注目されており、細菌の臨床試験ではミトコンドリア置換法が不妊治療に実際に有効である可能性を示す証拠も示されました。
注目のコメント
これはミトコンドリア病が受け継がれるのを防ぐ方法。ミトコンドリアというのは細胞の中でエネルギーを作っている器官で、ミトコンドリアに機能が低下することで生後すぐに亡くなってしまうこともあれば、軽症の方も。
治療法がないので、子に遺伝させないようにする唯一の手段がこの核移植。
受精卵の核だけを抜き出し、第三者の正常な受精卵や卵子の核を除去し、そこへ患者さん夫婦の受精卵の核を移植することで、異常なミトコンドリアをもたない受精卵になります。第三者の遺伝子が約0.1%含まれることになり、次世代にも引き継がれます。
日本では2021年4月に、研究に限定して解禁されました。
まだ新しい技術ですし倫理的な問題もありますが、規制してもニーズは減りません。技術の進歩に倫理的な議論が追いついていないのはこの件に限らずですが、保守的になりすぎることで逃すものも大きいです。慎重かつ建設的な議論が期待されます。いわゆるミトコンドリア置換法(MRT)の一種ですね。今回はミトコンドリア疾病を防ぐためのものですが、不妊治療として結果的にミトコンドリアが入れ替わる場合もあります。2016年にメキシコで行われた事例が最初だったと思いますが、それ以降もギリシャ、ウクライナなどで継続して行われていますね。オーストラリアでも昨年合法化されました。
しかし、この方法を用いても、核を抜くときに母親のミトコンドリアDNAがどうしても付着してしまうため、時間が経つと母親のミトコンドリアが増えて戻ってしまうリバージョンという現象が起きることがあり、ミトコンドリア疾患の治療法として妥当なのか議論があります。
理論上は一部の形質を切り貼りするなどして4人以上の親を持つこともできると思います。
オランダでは(別の意味で)3人以上の親に親権を認める法案が検討されているようですが、MRTで生まれた子の親権についての議論も今後なされるのでしょうか。
2016年の事例
https://newspicks.com/news/1802024