中国、カナダ外交官に退去通告 猛反発、追放応酬で関係一層緊張
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2023年3月23日、カナダ下院は、「中華人民共和国の内政干渉に関する調査を実施することを政府に求める動議」を可決しました。
この動議が提出された直接の原因は、自由党の董晗鵬下院議員が、在中国のカナダ人企業家を拘留することについて、在カナダ中国大使館と協議していたのが判明したことでした。
この動議では、
・政府および政党関係者を議会で証人喚問すること
・外国にルーツを持つ在カナダの外国人による政治活動について調査すること
・この問題に関わる公文書の精査
が政府に求められました。
https://www.cbc.ca/news/politics/han-dong-independent-mp-china-1.6788186
この決議を受けて、カナダ政府は在カナダ中国人および中国にルーツを持つカナダ国民に関する調査を行い、その結果、
・在カナダ中国大使に対して内政干渉活動を行っていることへ抗議し、
・5月8日、在カナダ中国大使館の外交官1名の在留を不許可としました。この外交官は、カナダ国内で、特に中国政府を批判する活動を行った中国系住民に関する情報収集活動を行い、これら中国系住民の中国にいる親族を脅すなどの手段で中国政府への批判をやめさせようとしていたとのことです。
中国政府は、この在カナダ中国大使館の外交官1名が追放されたことが不当であるとして、対抗して在中国のカナダ外交官1名を追放しました。カナダと中国の確執はファーウェイ創業者の娘でCFOの孟晩舟をカナダで逮捕した時から。中国はアメリカに対しては慎重な態度をとるが、カナダや豪州に対しては容赦ない。この緊張関係がどこに着地するのか、まだ見通しがたたない。
自国民の行動に関する情報収集をすることは中国大使館の職員の活動の中でごく普通の活動だから、中国政府にとっては、ほっといてくれ自国民のことなのにという思いなのだろう。中国とカナダの関係冷却は長引きそうだ。