2023/5/9

【伊藤穰一】AI時代、日本の「優等生」じゃ生き残れない

NewsPicks編集部 記者
ChatGPTトップを日本に呼び込んだのは、この男だった。
先月、ChatGPTを開発したOpenAIのサム・アルトマンCEOが電撃来日したのは、記憶に新しい。アルトマン氏はここで日本でのプレゼンス強化などを約束し、日本は一躍重点市場となった。
そして、実はこの訪日を自民党につないだのが、伊藤穰一だ。
伊藤といえば、インターネット黎明期から米国で最前線に関わり、アルトマンら周辺とも交流があるほか、日本でも90年代からこの業界の伝道師として活躍を続けるなど、日米両方のテクノロジー界隈を知り尽くす男だ。
その伊藤は、ChatGPTの登場を「日本にとってすごく良い話だ」と評価しつつ、日本の労働構造の弱点も指摘する。
一体それはなぜなのか。そもそも、生成AIの時代にビジネスパーソンはどう向き合っていけばいいのか。
NewsPicksでは、ChatGPT後の働き方を予測した新著『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』の出版を控えている本人を直撃し、AIの未来と、ビジネスに与える影響、さらには規制のあり方、日本の優位性と弱点まで、全てを語り尽くしてもらった。
INDEX
  • 日米の「時差」がなくなる
  • AI時代に生き残る「才能」とは
  • 「正しい答え」よりも…大事なこと
  • 人類が「幸せ」になる確率
  • 「暴走する機械」の現実味
  • AIに向く、日本の「宗教観」
  • ChatGPTトップ訪日の裏側

日米の「時差」がなくなる

──ChatGPTがここまで話題になった原因は何だったのか、その点の振り返りからまずはお伺いできれば。