AI活用、著作権に注意を 企業向けガイドライン案を発表
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注目のコメント
私自身もAI開発に関わる身ということもありますし、今後、生成AI活用のスタンダードになるガイドライン案だと思われるため、まずはざっと内容を確認してみました。
ガイドライン案=ひな形にあたり、"民間企業や各種組織が生成AIを利用する場合に組織内のガイドラインとして最低限定めておいた方がよいと思われる事項を参考として示したもの"として公開されています。
内容としては、現行の著作権法等に則る形で作られており、リスクがあるところには注意が促されています。
一部抜粋すると、以下のような内容です。(正確にはリンクをご覧いただくことを推奨します。https://www.jdla.org/document/#ai-guideline)
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・「第三者が著作権を有しているデータ」については、生成AIに入力するだけの行為は著作権侵害に該当しない。もっとも、生成されたデータが著作物と同一・類似している場合は、侵害になる可能性もあるので注意。
・「商標や意匠として登録されているデザイン」についても同様、入力だけなら商標権・意匠権侵害には該当しない。もっとも、著作権と同様、故意・偶然を問わず、生成された同一・類似のデザインを使用すると侵害に該当する。
・「個人情報」は、ChatGPTにおいては、入力データが学習に利用されるため、個人に同意を取るか、入力はしない。
・「他者からNDAを課されて家事された秘密情報」は、入力すると生成AI提供者という「第三者」に開示することになるため、NDAに反する可能性がある。
・LLM(大規模言語モデル)で書かれる内容には虚偽が含まれる可能性があるため、内容を盲信せず、根拠や裏付けを自ら確認すること。
・特定の作者や作家の作品のみを学習させた特化型AIは利用しないこと。
・プロンプトに既存著作物・作家などの名称を入れないこと。
・生成物が既存著作物・商標・意匠に類似しないかの調査を行うこと。
・虚偽の個人情報を生成して利用・提供する行為は、個人情報保護法違反等に当たる可能性があるため行わないこと。和田さんがコメントでまとめてくださっていますが、各分野での活用方法に示唆を与える重要なガイドラインですね。
特に著作権に関してはどこまでがOKで、どこからがアウトか判断が難しいですね。画像・映像・音楽は類似性が指摘される可能性があるように思いますが、文章やアイデア、あとはコードへの指摘はかなり難しいと思います。
逆に言えば、文章生成系のAIは著作権に関してはリスクが低いと言えるかもしれませんが、具体的な事例さらには判例が出てこないと、曖昧な状態は抜け出せないと思います。まだまだキャッチアップし続けないとダメなフェーズですね。対応が早く大変ありがたいですね。従来までの業界認識に沿ったものですね。
他の方のコメントに加えます。
ガイドライン作成に参画されている柿沼先生が仰っていますが、各ChatGPT類似サービスが今後に増えます。そのサービスの規約に注意が必要です。データを学習に使うかなどが代表的なポイントです。
他にも更に高度な活用を検討する企業では、ChatGPT類似サービスを自社データで内製や外注で開発することが次第に増加するでしょう。その場合、生成したデータを別のAIモデルの学習に活用よいのか?というポイントがあります。
例えば、ChatGPTで生成したデータは生成者以外が使うことができます。具体的には、ChatGPTを使ったサービス事業者がユーザーが生成したデータを使うことができてしまいます。これが許されるのかは、法解釈ではなくAI倫理の文脈も存在するため注意が必要です。
このような具体的なガイドラインの整備や認知拡大の必要性を感じます。