(ブルームバーグ): 米アマゾン・ドット・コムの1-3月(第1四半期)決算では、クラウドコンピューティング部門の売上高が予想以上に堅調な数字となり、同社の株価は時間外取引で一時約12%上昇した。だが幹部が同部門の売り上げの伸びが4月に入り減速したと明らかにした後、株価は上げを消し、2%安となった。テクノロジー支出が低調な状況を同部門が乗り切っているとの期待が後退した。

27日の発表資料によると、1-3月期売上高は前年同期比9.4%増の1274億ドル(約17兆700億円)に達し、市場予想の1247億ドルを上回った。営業利益は48億ドル。アナリスト平均予想は30億ドルだった。

クラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の1-3月期売上高は16%増の214億ドル。増収率は市場予想を上回ったが、AWS売上高公表開始以来で最も低い水準となった。

決算発表後の電話会見でアマゾン幹部らは、4月のAWS増収率が1-3月期を約5ポイント下回っていると説明した。企業のIT(情報技術)支出鈍化でAWSの増収率が年内に1桁台に下がる恐れがあると一部アナリストは予測する。2022年1-3月期のAWS増収率が前年同期比で40%近かったことを踏まえると、急激な減速だ。

AWSは演算能力提供とソフトウエアサービス最大手で、マイクロソフトやアルファベット傘下のグーグルなどと競合する。AWSは以前からアマゾンの営業利益のけん引役で、ネット小売りフランチャイズ事業の黒字化に苦労していた時期にも新分野への大きな賭けを資金面から支援した。

ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者(CFO)は記者団との電話会見で、AWSの収益性が前年同期に比べ低調な理由について、顧客が経費に慎重になる中で長期契約を結ぶ代わりに割引を提供したことが一因だと説明した。

アマゾンの主力の電子商取引事業も、コロナ禍のさなかのブームが落ち着いてから、成長が著しく鈍化した。オンラインストア部門の売上高は前年同期比で横ばい。2021年1-3月期との比較では約4%減少した。

4-6月(第2四半期)について同社は売上高を1270億-1330億ドル、営業利益を20億-55億ドルと見込む。いずれも市場予想に沿った水準だ。

原題:Amazon Jolts Investors With Talk of Cloud Growth Slowdown (1)、Amazon Raises Investor Fears of Continued Slowing Cloud Growth、Amazon Surges After Profit, Cloud-Unit Sales Top Estimates (1)(抜粋)

(電話会見の内容を追加して更新します)

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