共同声明から消えた「GX」、国際社会に浸透せず-G7札幌会合
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国際的に通用しにくいのであれば日本発にこだわる必要はないと思いますが、COVID-19による経済停滞からの復興を環境に配慮した形で行う「グリーン・リカバリー」という語が欧州を中心に提唱され、他の多くの世界の国々(日本を含む)に伝播したことなどを思い起こすと、言語の面でも影響力の面でも欧州には舌を巻いてしまいます。
環境関連用語ですと「(省略形で使用される)エコ」「サーマル・リサイクル」「(中古品販売店を示す)リサイクル・ショップ」「トップランナー制度」「ペットボトル」なども、海外で通じにくいです。環境問題がどんどんグローバル化しており、個別の国で対応できるものではなくなってきているため、新しい語を打ち出す際にはグローバルでも違和感がないかを確認する姿勢が必要になってくるのかもしれません。
また、日本の「GX実現に向けた基本方針(GX基本方針)」は、ほぼほぼ気候変動へのアプローチがターゲットになっているのに対して、今回の「G7気候・エネルギー・環境大臣会合コミュニケ(成果文書)」のGreen transformation項目では、”climate resilient, circular, pollution-free, and nature positive economies(循環型で、汚染のない、ネイチャーポジティブな経済)”を可能とすると示されており、資源や生物多様性への対応も含まれた内容となっています。
個人的にはグリーンは気候変動対応だけの話ではないと思っているため、GXという語を引き続き国内で使用するにしても、今回の意味合いに近い内容とするのが自然だと思っています。
コミュニケへのリンクはこちら↓
https://www.env.go.jp/earth/g7/2023_sapporo_emm/index.html