2023/4/18

【インサイド】楽天モバイルの裏側で、実際に起きていたこと

NewsPicks編集部 ライター
うまくいけば大儲け、しかし裏目に出れば会社をボロボロにしてしまいかねない。
楽天のモバイル事業は、生死をかけた一大プロジェクトだ。企業の命運を握る事業とは、まさにこのことだろう。
10年後の楽天の評価は、モバイルの成否にかかっていると言っても過言ではない。
モバイル事業は足元で、4922億円の営業赤字(2022年12月期)。ECや金融などで稼ぎ出した利益を吸収し、グループ全体も3728億円の最終赤字に沈んでいる。
巨大な固定費によって今年もキャッシュアウトが続き、社債の償還も控える。その財源として楽天銀行をIPOさせるほか、楽天証券のIPOも視野に入れている。
そこまでして、なぜモバイルに賭けるのか。勝算はあるのか。成否を分けるポイントはどこか。
参入の経緯、総務省の思惑なども踏まえながら、モバイル事業の舞台裏をレポートする。
(*敬称略)
INDEX
  • 「肝の肝の肝」だから
  • モバイル参入は「必然」
  • 総務省の思惑「3→4」論文
  • 「イー・アクセス問題」の教訓
  • 「垂直統合モデル」をぶち壊せ!
  • 良くも悪くも「想定外」
  • 「年内の単月黒字化」は厳しい
  • 鍵を握る「プラチナバンド」

「肝の肝の肝」だから

その日の会議は、いつもと様子が違っていた。