あっという間にスタバを追い抜いた6年で8000店超に増えた「中国のスタバ」の5つの戦略を解説する
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2017年に設立されたラッキンコーヒーは、「OMOコーヒー店」などとして日本のメディアによく取り上げられていた時期もありましたね。
ラッキンコーヒーの伸長についてどのように捉えているかを、スタバChinaの役職者に以前(2021年頃)インタビューをしたことがあるのですが、曰く、
・ラッキンコーヒーをはじめ、オンラインをベースとしたOMO型コーヒーが出てきたことにより、スタバChinaは2019年には事業構成の再編を行った。
・リテール部に紐づいていたデジタルイノベーション部をリテール部から独立させ格上げするなど、以前より社内でのデジタルの位置付けは上がった。
とのことでスタバを脅かす存在として早くからマークされていました。
とはいえ、巨額不正会計で2020年には上場廃止もあり、苦難の時期もありました。
しかしその後持ち直し、中国ではすでに店舗数はスターバックスを超えていますし、昨年には黒字化も達成、最近はシンガポール進出もしています。
個人的に好きなコーヒーチェーンで、中国に住んでいた時は毎日のように飲んでいました。
炭酸コーヒーなどのややユニークな商品や、豊富な期間限定メニューなどが特徴です。
願わくば私が住んでいるインドor日本にもきて欲しいのですが…!今後の動向に注目です。ラッキンコーヒーのビジネスモデルは実はシンプルです。カフェの展開における重要経費は①人件費②家賃です。その2つを最小限に抑えられるモデルがあれば利益を残すことが比較的容易になります。①はワンオペでも複数の顧客を回せるようオートメーションを徹底。②は1万店舗以上の出店計画を作り、デベロッパーと交渉です。
上記に加えて
③内装は全て同じにすることによって、内装資材の単価を落としました。④参入前に赤字をとことん掘りながらゴーストレストラン形式で配送、ユーザーがどこで何を頼むのかを特定しながらそのユーザーの最も近くにお店を出す戦略をそのままに実行しました。
また、市場背景として、中国では貧富の差があり、デリバリーの配達コストが低いことでゴーストレストラン形式でのデータ取得が可能だったこと。コーヒーの市場が小さくアクセス可能なところで消費できる環境ではなかったことがありました(現在ではコーヒーだけでも約5兆円のマーケットになってます)
日本のようにコーヒーにアクセス可能な面が揃っている、もしくはデリバリーのコストが非常に高い国では同様のモデルは難しいかもしれませんが、ラッキンコーヒーから学べるtipsは、カフェ業態は①②の攻略が全てであり、それ以上でもそれ以下でもなかったわけです。昔から稼げるところ、コストがかかるところはどれだけOMOの時代といえど変わっておらず、そこを勘違いしてはなりません…スタバとこのラッキンコーヒーに消費者が求めている価値が根本的に違いそうです。
スタバはスタバ自体の少し高くても飲みたいブランド力と、友達と軽くお話したり一人で作業したりする居心地のよい空間、そして質の高いサービスを強みにしているイメージです。
一方でラッキンコーヒーは、いつでもどこでも飲める安さを幅広い層に提供しているようです。
スタバを追い抜いたのは事実ですが、消費者からしたら目的と用途に合わせて使い分けられていそうです。