2023/4/10

【ChatGPT総帥】すでにゲイツ級の「革命家」のすべて

INDEX
  • 人類に未曾有の「富」をもたらす
  • AGIは「SF」ではなかった
  • 「原爆の父」と重ね合わせる
  • 「牛に気をつけて」
  • カネよりも…あれが好き
  • 「ゲイツの再来」と言われる理由
  • 非エンジニアなのに稀有な才能
  • 自分たちは「偽善」ではない
  • 究極の「夢」は…

人類に未曾有の「富」をもたらす

初めてサム・アルトマンに会ったのは2019年の夏、彼が3年前に立ち上げたOpenAI(オープンAI)にマイクロソフトが10億ドル(約1300億円)の投資を決めてから数日後のことだった。
アルトマンの提案で、私たちはサンフランシスコにある彼の自宅からそう遠くない、とびきりモダンな小さなレストランで食事をした。
食事の途中でアルトマンはiPhoneを掲げ、数カ月間の交渉の末に成立させた世界最大級のテック企業との契約書を見せてくれた。マイクロソフトは10億ドルを投じてオープンAIの汎用人工知能(AGI)開発をサポートすると、そこにはあった。
AGIとは人間の脳に可能なことはすべてできるマシンだ。
3月、写真撮影に応じるOpenAIのCEO、サム・アルトマン(写真:Jim Wilson/The New York Times)
食事が終わるとアルトマンはデザートの代わりに甘口のワインをすすりながら、オープンAIをマンハッタン計画になぞらえた。
明日の天気の話でもするような口調で、第2次大戦中にアメリカが進めた原子爆弾の開発は「スケールの点でオープンAIと同等」だったと言い、「私たちも同レベルの野心を抱いているんです」と述べた。
AGIは世界に未曾有の富と繁栄をもたらすと、彼は信じていた。