[5日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合が続落。朝方発表された低調な米指標を受け、景気後退(リセッション)懸念が強まった。
グーグルのスーパーコンピューターを巡り、半導体大手エヌビディアが2.1%下落し、S&Pの重しとなった。グーグルは4日公表した論文で、自社の人工知能(AI)のトレーニングに使っているスパコンの詳細を公表。エヌビディア製半導体を搭載したスパコンよりも高速で消費電力が少ないと主張した。
テスラは3.7%、アマゾン・ドット・コムは2.7%、アップルは1%超、それぞれ下落してナスダックを押し下げた。
重機大手キャタピラーは景気後退懸念から1.8%下落。過去2日間の下落率は7%となった。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が5日発表した3月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回り、労働市場の冷え込みを示唆した。
米供給管理協会(ISM)が発表した3月の非製造業総合指数も、需要の冷え込みで市場予想を超えて低下。支払い価格指数は約3年ぶりの低水準となった。
今週に入り、軟調な指標が相次いでいる。
市場は過去数カ月、軟調な指標が米連邦準備理事会(FRB)のインフレ抑制に向けた利上げペース減速につながるとの見方からプラス材料と受け止めてきたが、最近は景気減速の兆しにマイナスの反応を示している。
インフラキャップの最高経営責任者(CEO)兼ポートフォリオマネージャーのジェイ・ハットフィールド氏は「『悪いニュースは良いニュース』という考え方から『悪いニュースは悪いニュース』へと移行したのかもしれない。景気後退懸念が市場の主要なテーマとなっている」と語った。
S&P主要11セクターでは7セクターが下落。一般消費財が2.04%安、工業が1.3%安と下げを主導した。
日用品・医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は4.5%値上がりし、ダウ工業株30種の上昇に寄与した。ベビーパウダーの発がん性を巡る集団訴訟で、89億ドルを支払うことで和解した。
AI関連銘柄のC3.aiは空売り筋が会計問題を指摘したことから前日の急落に続き、この日も15%超の大幅安となった。同社はロイターの取材に対し、この疑惑を否定した。
宅配大手フェデックスは1.5%高。コスト削減と事業効率化の取り組みを強化するため、複数の配送部門を統合すると発表した。
S&P500採用銘柄では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.2対1の比率で上回った。
米取引所の合算出来高は101億株。直近20営業日の平均は127億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 33482.72 +80.34 +0.24 33394.60 33543.84 33376.27
前営業日終値 33402.38
ナスダック総合 11996.86 -129.47 -1.07 12081.76 12086.75 11931.85
前営業日終値 12126.33
S&P総合500種 4090.38 -10.22 -0.25 4094.50 4099.69 4072.56
前営業日終値 4100.60
ダウ輸送株20種 13914.49 -111.48 -0.79
ダウ公共株15種 963.46 +24.62 +2.62
フィラデルフィア半導体 3085.98 -56.53 -1.80
VIX指数 19.08 +0.08 +0.42
S&P一般消費財 1129.03 -23.49 -2.04
S&P素材 502.61 -1.12 -0.22
S&P工業 827.97 -10.91 -1.30
S&P主要消費財 786.82 +4.34 +0.55
S&P金融 530.18 -0.75 -0.14
S&P不動産 231.38 -1.22 -0.52
S&Pエネルギー 663.91 +9.30 +1.42
S&Pヘルスケア 1553.83 +26.43 +1.73
S&P通信サービス 192.71 -0.42 -0.22
S&P情報技術 2591.17 -31.26 -1.19
S&P公益事業 352.13 +8.83 +2.57
NYSE出来高 9.62億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27760 - 60 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 27695 - 125 大阪比