投資銀行からスタートアップM&Aの世界へ。CFOも目指せる“いいとこ取り”のキャリア選択とは

2023/4/4
投資銀行や総合商社、FASなどでM&Aの現場を経験してきたメンバーが集う、M&Aクラウドのスペシャリスト集団「M&A Cloud Advisory Partners(通称 MACAP)」。
MACAPの立ち上げを担った現CFO・村上祐也と、初期メンバーとして数々の著名ディールを担当してきた岸貴大には、投資銀行出身という共通のバックグラウンドがあります。
投資銀行出身者には、次はPEファンドなどバイサイドに回るキャリアを描く人が多い中で、彼らはなぜM&Aクラウドを選んだのか、M&Aクラウドで何を得て、今後は何を見据えているのか――共に「ファイナンス×スタートアップ」を軸に歩む二人に、今の率直な思いとビジョンを聞きました。
INDEX
  • ビジョンと欲しい経験がクロスオーバーする場所
  • ねだるな、勝ち取れ、さらば与えられん
  • 白地図を自分たち色に染めていく
  • スタートアップM&Aの業界スタンダードを自分たちの手で

ビジョンと欲しい経験がクロスオーバーする場所

—— 投資銀行出身者の転職先は、PEファンドに代表されるバイサイドが多いと聞いています。お二人は、どのような経緯でM&Aクラウドを選択されたのでしょうか?
村上 祐也(野村證券出身、2019年1月ジョイン)
村上:私は投資銀行出身者としてはやや異質のタイプで、そもそも就職する時点では、投資銀行業界には3年程度しかいないつもりでした。将来は自ら会社や事業を立ち上げるキャリアを描いていたのです。3年が経過し起業を検討していた時期は、事業の立ち上げや経営の経験やノウハウを身に付けるべく、スタートアップで働く道も考えていました。
いくつかの選択肢があった中でM&Aクラウドへの転職を決めたのは、代表の及川が語る「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を起こす。そして、時価総額10兆円の会社を創り、歴史に名を残したい」というメッセージに心を動かされたからです。
「どうせやるなら、志をもってインパクトの大きな挑戦をしたい」と考えていた私にとって、及川のピュアで熱量の高い言葉は、転職を決めるには十分すぎるほど力強かった。「挑戦するならここだろう」と直感しました。
岸:私はもともと、ファイナンス領域でのプロフェッショナルとして会社経営に携わるキャリアを描いていました。そこにつながる経験を積む意味では、投資銀行やPEファンドでキャリアをつくるのも一つのルートだったと思います。
ただ、投資銀行やPEファンドは、若手のうちから大きな裁量を与えられる環境ではありません。もちろん下積み期間は重要ですが、私の場合は早い段階で経営に近いポジションを経験したい気持ちが強かった。その意味でスタートアップで働くことに魅力を感じました。
最終的にM&Aクラウドを選んだ理由は、「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」というミッションへの強い共感です。
投資銀行でM&Aに携わる中で、労働集約的でアナログチックなワークスタイルに疑問を覚え、もっと効率化できるはずだという課題意識を持っていました。私個人のWillに、M&Aクラウドのミッションが合致していたのです。
欲しかった経験と、実現したい未来が重なる場所が、M&Aクラウドでした。

ねだるな、勝ち取れ、さらば与えられん

—— 振り返って、投資銀行からM&Aクラウドへの転職は正解でしたか? それぞれ「インパクトの大きな挑戦をする」「裁量の大きな環境で働く」という目的は果たせたのでしょうか。
岸:私は投資銀行時代、新卒でカバレッジ部門に配属された後、ローテーションがなかなかなくて……。早くM&Aのエグゼキューションに携わりたいというフラストレーションを抱えていた時期がありました。
4年目にようやくプロダクト部門への異動がかない、日経新聞の一面に載るような大きなディールにも携わる機会をいただけたおかげで、アドバイザーとしての経験と自信を身に付けることができました。同時に、早く独り立ちして自分の力を試したい思いも強くなっていったのです。
その点、MACAPでは、ソーシングからクロージングまで一連のプロセスを一人で担当できます。スタートアップの経営者と直接やり取りし、寄り添いながらディールを進めていけるので、アドバイザーとしてもビジネスマンとしても、学びの多い環境。転職は間違いではなかったと自信を持って言えます。
村上:「インパクトの大きな挑戦をしたい」という私の希望に関しては、M&Aクラウドが対象にしている潜在マーケットは非常に規模が大きく、やりがいは十分です。そこにテクノロジーを導入するのは前例のない試みだけに、正解が見えない難しさはありますが、それも含めてハードなチャレンジを楽しんでいます。
私にとって大企業の投資銀行部門は、経済的インパクトがあるビッグディールやクロスボーダーディールに携わることができ、案件数も多いため短期間で濃い経験を積めるとても良い環境でした。厳しくも優秀な先輩方の指導の下、一般的な新卒社員の数倍働くことで数倍のスピードで成長できたことは、本当にありがたかったと思っています。
ただ、岸さんが言うように、投資銀行でディールを担当できるまでには時間がかかるのも事実。ですから、投資銀行で数年勤めた後、スタートアップに転職する選択は、“いいとこ取り”のキャリアと言えると思います。
—— 翻って、あまり経験がない状態では、MACAPでキャリアをつくるのは難しい……?
村上:未経験であれば、アソシエイトからキャリアをスタートする選択肢もあります。実際、MACAPには、アソシエイトとして経験を積んだ後に、アドバイザーとして活躍している人もいます。
一方で、初めからアドバイザーとして成果を上げるには、M&Aの実務に関与した経験がゼロだと厳しいと思います。
岸:例えばデューデリジェンスに関わったことがあるなど、一部でもディールに携わった経験を持つ人の方が活躍までのスピードは早いでしょう。
とはいえ、経験の不足を埋め、学びを促す環境はありますし、今後もっと整えていきたいと考えています。
—— 具体的に、どのような環境が用意されているのでしょうか?
村上:まず、全社のバリューのひとつに「1 Team」とあるように、大前提としてチームでチャレンジしていくマインドが共有されています。社内コミュニケーションに使われているSlackでは、互いの学びになる情報をシェアした人は、すかさず「ナイスシェア」スタンプで賞賛されます。
岸:加えて、MACAPには立ち上げから2年間、スタートアップM&Aの世界で積み上げてきた経験値が蓄積されています。私たちのような投資銀行出身者の他、買い手、VCなど、さまざまな立場でM&Aに関わってきたメンバーもそろっています。どんな場面でも、求めれば何らかのアドバイスを得られる環境はあると自負しています。
ただ、その環境を活かすためには、自ら情報を取りに行く、いわばスタートアップマインドを持っていることが大切です。
村上:現在、MACAPの事業部長を務める福田の話をすると、分かりやすいかもしれません。
彼は入社してからしばらく、大きなディールを成約させられずに苦労していました。ただ、そこで折れることなく、どうすれば成果を上げられるか考え続けていたんです。かつては総合商社で活躍していただけにプライドもあったと思うのですが、謙虚な姿勢で周囲にアドバイスを求め、即座に実行する素直さや実行し続ける泥臭さがありました。
そうした姿勢があったからこそ、周囲もサポートを惜しみませんし、昨年にはINITIALが発表する「2022年 Japan Startup Finance」などで、2022年の代表事例として取り上げられた大きなディールを成功させる素晴らしい結果を残しています。私も安心して事業部長を任せることができました。
岸:案件の過程で難題に直面することも多々ありますが、チームで支え合うマインドがあれば、大抵の壁は越えていけます。
スタートアップM&Aに関してはMACAPはフロントランナーですから、その使命感を持って、現場起点のアドバイザリーのノウハウを明文化する取り組みも進めています。そこにも貢献してくれる仲間が増えると嬉しいですね。

白地図を自分たち色に染めていく

—— 大企業からスタートアップに転職するにあたり、不安や懸念はありませんでしたか?
村上:私は起業を考えていたくらいなので、目先の給与が下がることは厭いませんでした。ジョイン当時はまさに創業期で、オフィスもワンルームマンションという時期でしたから、ないものづくしの環境も想定内。
ゼロからMACAPを立ち上げるのはもちろん大変でしたが、覚悟はできていました。むしろカオスを経験したかったからこそ、ここに来たんです。
岸:私も固定給だけ見れば下がりましたが、そこに成約時のインセンティブが乗ってくる仕組みなので、自分の頑張り次第では年収を上げていくこともできるなと。結局は自分次第という気持ちでジョインしました。
私はMACAPの立ち上げメンバーです。MACAPを軌道に乗せ、会社の売り上げを支えていくプレッシャーを日々強烈に感じるフェーズでしたが、その分経営に近い視点を持てた。目先の給与以上のものを得られたと思います。
—— 長い目で考えれば、懸念を補って余りあるメリットがあったと。
村上:岸さんの話にもあったフェーズの観点からいうと、環境が整いつつある今は、勝ち筋が見えてきている中で、今後の飛躍に向けたチャレンジを楽しめるタイミングだと思います。
MACAPは、「スタートアップM&Aでナンバーワンになる」という目標を掲げています。
日本のスタートアップは現状、EXIT手段がIPOに偏っており、M&Aが活性化するのはまだまだこれから。現時点では「スタートアップM&Aでナンバーワン」と呼べるアドバイザリー会社は存在しません。この白地図を獲りにいく過程は、それ自体が刺激的かつチャレンジングな経験になると思います。
岸:当社がスタートアップM&Aでナンバーワンになることで、業界のクオリティを担保したい思いもあります。金融面での高い専門性とスタートアップ経営に関する深い理解、その双方を兼ね備えたプロ集団が業界をリードしていくことが、スタートアップM&Aの健全な発展には不可欠です。
村上:そしてスタートアップM&Aの活性化は、日本の国際競争力を高めていくことにもつながると私たちは信じています。
世界の時価総額ランキングで常に上位を占めるGAFAMを見ても、M&Aの活用がその勢いを支えていると言えます。YouTubeやInstagramも、それぞれGoogle、Facebook(現META)によるM&Aを機に、急成長を遂げました。有望なスタートアップに大企業やメガベンチャーの資金力やノウハウが注がれれば、自前では実現できなかった成長を遂げる可能性は十分にあります。
日本でもスタートアップのM&Aを活性化していくことが、GAFAMのようにイノベーティブなパワーを持つ企業群の創出につながるはず。青臭いかもしれませんが、私たちが目指しているのはそういった世界です。
岸:今、岸田政権下で政府もスタートアップ振興に本腰を入れてきており、スタートアップエコシステムはこれから盛り上がっていくでしょう。この流れの中で自らの力を発揮したいと考える人にとって、MACAPは他にない知見を得られる環境でもあります。
MACAPでは案件を通じて、スタートアップのCEOやCFOはもちろん、買い手の事業会社やファンド、VCなどとも関わることになり、スタートアップエコシステムを形成するさまざまな事業者の視点を身近で知ることができます。
こうした多角的な視点を身に付けておくことは、将来、自ら事業を起こすにしても、CFOあるいは投資家として起業家を支える立場に回るとしても、大きなアドバンテージになるはずです。

スタートアップM&Aの業界スタンダードを自分たちの手で

—— お二人が先々のキャリアについて考えていることはありますか?
村上:私は何より、M&Aクラウドのミッション(テクノロジーの力でM&Aに流通革命を)とビジョン(時代が求める課題を解決し時価総額10兆円企業へ)に真摯に向き合い、スタートアップM&Aを通じて、日本をイノベーションがあふれる国にしたい。CFOとして、そこに全精力を集中しています。
岸:スタートアップに関わり続けたい思いは、今後も変わらないと思います。もともとイメージしていたスタートアップのCFOになる道のほか、ひょっとするとM&Aクラウド内で新規事業を立ち上げるかもしれませんし、あるいは自分でスタートアップを立ち上げることもあるかもしれません。
とはいえ、私も今は、M&Aクラウドのミッションを実現することが第一です。私たちMACAPがスタートアップM&Aの最前線で積み上げた知見を明文化し、M&Aクラウドのプロダクトに反映させていくことで、業界のスタンダードとなるプラットフォームを創り上げていきたい。
それによって、私が投資銀行時代から課題を感じてきた、M&Aアドバイザリー業界の生産性向上に貢献したいと思います。
村上:心強いですね。MACAP、そしてM&Aクラウドの最大の強みは、岸さんのように実績と能力、そして心意気を持ったメンバーが集まっていることです。
岸:ここでは語り切れませんでしたが、本当に個性豊かなメンツがそろっています。そんなMACAPに少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にご連絡ください! まずはカジュアル面談で、お待ちしています。
取材・文:オバラミツフミ
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