[東京 13日 ロイター] - アサヒグループホールディングス<2502.T>は13日、子会社のアサヒビールがユニゾン・キャピタル等が保有するエノテカ(東京都港区)株全株を取得し、子会社化すると発表した。中高級ワインの充実により、ワイン事業の強化を図る。買収額は非開示。

アサヒビールの小路明善社長は会見で「2社のワイン事業の売上高を合わせると約340億円となり、業界第2位のポジションをうかがうことになる」と述べた。

アサヒは2015年、脱ビール依存、脱夏依存を掲げており、ワイン事業の強化は、こうした方向性に一致する。

国内ワイン市場は拡大しており、日常的にワインを消費する層が拡大するに連れ、より高品質なワインを求める消費者が増加しているという。アサヒとしては、エノテカが持つ中高級ワインをポートフォリオに加えることで、拡大する消費者を取り込むことが可能になる。

なかでも輸入ワイン市場は年率6%成長しており、エノテカを買収することで「6%以上の伸び確保する計画を描いていきたい」(小路社長)としている。

エノテカは、ワインの輸入および販売等を手掛けている企業で、2014年3月期の連結売上高は173億1300万円、2015年3月期は約200億円の売上高が見込まれている。

店舗数は国内48店舗、海外は香港、中国、韓国、シンガポールを中心に16店舗を展開している。

4月から社長に就任するエノテカの櫻井裕之・常務執行役員は「アジアでワイン商としてナンバーワンになりたいという夢が夢ではなく現実的な目標になる」と述べた。

一方、アサヒビールのワイン事業は、2014年に前年比20.6%増の144億円と伸長した。

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(清水律子 編集:吉瀬邦彦)