(ブルームバーグ): 米JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が、米銀ファースト・リパブリック・バンクの支援を巡り新たな案を提示した。同行に対して主要銀行が行った計300億ドル(約4兆円)の預金の一部または全体を資本注入に転換する内容だという。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者らによれば、シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受けて預金者の間に動揺が広がったことから、ファースト・リパブリックでは財務強化の方法を模索している。関係者らは、協議が非公開だとして匿名を条件に語った。

ファースト・リパブリックへの預金には大手11行が合意している。支援を巡る協議は初期段階で、資本注入への転換に反対する銀行が出てくる可能性はあるという。

米地銀、先行きは依然不透明-当面の焦点はファースト・リパブリック

JPモルガンの担当者はコメントを控えた。ファースト・リパブリックは、預金が資本注入に転換される可能性についてコメントを避けた上で、「大手11行による300億ドルの預金と手元現金により、ファースト・リパブリック・バンクは短期の預金活動に対応する上で安定した状況にある」と発表文で説明した。

預金を資本注入に転換する可能性については、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じた。

20日の米株式市場でファースト・リパブリック株は大幅安。下落率は一時50%に達した。

原題:First Republic Rescue Proposal Would Convert Deposits to Capital(抜粋)

--取材協力:Hannah Levitt、Jennifer Surane.

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