2023/3/16

日銀の黒歴史が終わる。白川氏とインド人の示唆

NewsPicks 副編集長
まずご自身の時代をしっかり総括していただきたい」──。
自民党の参院幹事長、世耕弘成は3月5日のNHK番組で、前の日銀総裁・白川方明についてこう話した。
白川は国際通貨基金(IMF)季刊誌の3月号に、黒田東彦総裁が推し進めた異次元緩和について批判的な論考を発表した。
世耕は、これを受けて白川に対して不快感を示した形だ。
白川総裁時代に金融緩和をかたくなに行わなかったことが、日本が深刻なデフレに陥った最大の原因だ
世耕は、「白川は過去の過ちの総括をすべき」だと主張しているわけだ。
しかし白川は、イメージとは異なり、それ以前の日銀とは比べものにならないほどの金融緩和をしている。
NHK番組での一幕は、これまでの日銀の「黒歴史」と、これからの再出発を象徴しているように感じる。
黒田総裁の果たしたことを理解するためにも、植田次期総裁がどんな方向に進むのか考えるためにも、世耕が痛烈に批判した白川時代を少し振り返ってみよう。
INDEX
  • 実は大胆だった白川総裁
  • 「正論」を主張
  • バーナンキの白川評
  • 日銀批判パターン
  • 理解されない日銀の正論
  • 先んじて量的緩和
  • 植田次期総裁と福井の共通点
  • LESS IS MORE

実は大胆だった白川総裁