[ワシントン 7日 ロイター] - 米司法省は7日、格安航空会社(LCC)のジェットブルー航空が同業スピリット航空を38億ドルで買収する計画を阻止するための訴訟を起こした。両社の統合は運賃上昇や座席数減少につながり、多くの路線の消費者に損失を与えると主張している。

ガーランド司法長官は、ジェットブルーとスピリットの内部文書を引き合いにして、スピリットの市場参入で運賃は17%下がり、スピリットが運航を止めると逆に運賃は30%上がると説明。「この合併は何千万人もの旅行者に運賃上昇と座席数減少をもたらし、飛行機による移動の際に超格安航空会社を利用する人々に最も大きな影響を及ぼす」と述べた。

また司法省の今回の訴状で、ジェットブルーはスピリットの各航空機当たり10─15%の座席数削減を目指しているとも指摘した。

訴訟の原告にはマサチューセッツ州とニューヨーク州、首都ワシントンも加わっている。

一方ジェットブルーのロビン・ヘイズ最高経営責任者(CEO)は声明で「司法省は法の運用を間違っている上に、この合併が、米国市場の80%前後を牛耳る航空大手4社と競争できる全米規模の質の良い格安航空会社を誕生させるという事実を見逃している、とわれわれは考えている」などと反論した。

バイデン政権は幾つかの産業でこれ以上統合や再編が進むのを止めようとしている。ガーランド氏は「全ての産業の企業は、司法省がためらいなく反トラスト法(独占禁止法)を運用し、米国の消費者を守る姿勢だということを理解する必要がある」と言い切った。