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運の良さについて、NewsPicks さんに取材して頂きました。考えることが多く、なかなかチャレンジングなテーマでした。
三木谷さんから、20年前に教えて頂いたことをきっかけに考察し、ポテンシャルモデルに載せて展開して、なんとかまとめたのですが、あくまで一意見。しかも僕は成功している人にばかりお会いする仕事を10年もやらせていただいたので、偏っていると思います（だから取材いただいたとも言えますが）。
正直僕も、本当は何が正解か、自信はありません。自分も、もっと運が良くなりたいです。ぜひ皆さまのご意見も頂きたいです。
この調査の最大の問題点は回答者の年齢、性別、収入といったいわゆるフェイスシート項目を聞いていないところです。リンク先にあるのはプロピッカー全体であって回答者ではありません。129人中124人が運に恵まれたと答えているのは、①年齢が高いためにチャンスの回数が多く、②高階層で比較的恵まれた暮らしをしており、③さらに運に関する調査なので「幸運だった」と思う人が回答しやすいという回答者のバイアスがかかるためで、この数値には何の意味もありません。プロピッカーの中で幸運だと思う人が回答したというだけのことです。また年齢・収入等がわからないため、回答者が日本社会の平均からどの程度乖離したグループなのかがわからず、行動20選もどうやって選んだのかがブラックボックスになっており、単に恵まれた人がやったから成功の要因になっただけかも知れません。
性別もわからないのですが、回答者の半数が女性とは思えず、したがって女性のリアリティをまったく拾い上げられていない可能性があります。
比較的高収入でしょうから、いわば居酒屋でお酒を飲んでいる人に「お酒は楽しいですか」と聞いているようなもので、肯定的な意見が増えるのは当然です。さらに年収の分布がわからないため、3000円の居酒屋なのか1万円の居酒屋なのかがわからず、解釈ができません。
メディアの責任としてこういう調査を行う前に、最低限の社会調査法に関する常識を身につけてください。このままでは「日本で調査したらWBCでは日本が勝つという意見が多かった」と言っているようなもので、それは本当に日本が強いかどうかとは全く別の問題です。
「ヒキの強さ」をもたらす要素？そんなもんありません。あっても微々たるもの。だって人生を左右する2大要素運の生まれた国と生まれた家庭は完全に運。成功した人を分析して要因を調べる？まずは生存者バイアスという言葉をググってみてください。
もう１００回くらい書いたけど、成功も失敗もだいたい努力半分、運半分。特大の成功ほど運の要素が強いものです。にもかかわらず、だいたい成功した人はぜんぶ自分の努力の成果だと思ってるし、失敗した人はだいたいぜんぶ運のせいだと思ってる。どちらも半分しか正しくない。特に成功した人ほど謙虚にならなくてはいけません。
運のせいで生まれた格差を是正するのが、政府の所得再配分です。当たりくじを引いた人からたくさん税金を取って外れくじを引いた人に回す。過剰な自己責任論がおかしいのはそこです。
一方、もちろん親ガチャはあれど、日本に生まれたというだけで、世界的に見れば特大の当たりくじであることも覚えていてください。
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