2023/3/1

【先輩の声】就活でぶつかる「3つの壁」賢く乗り越えるコツ

今日、3月1日は「就活解禁日」。
就活が早期化しているとはいえ、エントリー受け付け開始は3月1日からという企業はまだまだ多いものです。25卒の学生が、来年に向けて情報収集を始める時期でもあります。
そんな時期だからこそ、今一度、自分なりに就活の方向性を考え直したくなることもあるのではないでしょうか。
NewsPicksは不定期でコミュニティ型イベント「OUTPUT CAMP」を開催しており、今年1〜2月には就活生向けのOUTPUT CAMPを実施しました(概要は以下)。
この記事では、その際に行った「就活で希望の仕事に就いた新卒社員」3名への質問会で聞いた
  • 会社、仕事選びの軸決め
  • 面接対策
  • 情報収集術
のコツを紹介します。
先輩たちの経験談を参考に、自分が就活で最も大事にしたいポイントを見つけましょう。
INDEX
  • 3人ともインターン経験あり
  • 目先の内定より「未来の働き方」
  • 大事なのは「自分の言葉で話す」
  • 疑いながらニュースを見よう
  • 就活は「企業との対話の場」
  • 学生生活・進路タブの使い方

3人ともインターン経験あり

── 自己紹介と、現在の仕事について教えてください。
秋山 亮さん(以下、秋山):デロイト トーマツ コンサルティング(以下、デロイト トーマツ)に入社しました、秋山 亮です。
デロイト トーマツでは人事・組織コンサルとして、複数のプロジェクトにジョインしています。
堀池宏音さん(以下、堀池):ニューズピックスでの学生インターンを経て、ユーザベースに新卒入社した堀池宏音です。
現在は人事企画として働いていて、中途入社の研修プログラムの企画や、社内イベントの運営などをしています。
安東 翼さん(以下、安東):アマゾンジャパン消費財事業本部の安東 翼です。
日用品のメーカー担当として営業や交渉をしつつ、自らSQLを使ってデータ分析なども行っています。

目先の内定より「未来の働き方」

安東:自分はやりたいことが明確にあるタイプではありませんでした。
そのため、「現場に立てるのか」「日本の社会をプラスにできる仕事なのか」という2つの観点で、就活を進めていました。
── なぜその2つを軸に?
安東:1つ目は、試行錯誤が結果に出る仕事がしたかったからです。課題を解決しようと考えて、PDCAサイクルを回すのがとても好きで。現場に立つことが、いちばん短い距離でそれを試すことにつながると考えて選びました。
2つ目は、身の回りには官僚になる人が多く、社会貢献について考える機会が多かったからです。自分がしたことが、世の中の人のためになれば素敵だと感じていました。
── 今の仕事は、その軸を満たしていますか?
安東:満たしていると思います。
アマゾンでは3カ月の入社後研修を終えたら、新卒にも中途と同じようなアウトプットが求められます。日々、メーカーのお客さまを担当しながら、セールの仕事も降ってきた時は、仕事量でパンクしそうでした。
しかし、新卒1年目から実際に現場に立ち、成果を認めてもらえる環境であることにはやりがいを覚えています。
アマゾンは、いまや多くの方の生活インフラの一部となっています。サイトで購入した商品が翌日に届く社会を実現させるというのは、10年前からしたらあり得なかったものです。
外資系企業ではありますが、日本人の生活を直接支えることは幸せだと感じます。
Photo:iStock / Daria Nipot
秋山:私も就活を始めた段階でやりたいことを1つに決められていなかったので、安東さんに共感できます。
そのため代わりに自分は、「一生をかけてやりたいことを、仕事を通じて見つけたい」と考えて、3つの軸を立てました。
まずは、「幅広い企業・組織とかかわることができる」ということ
自分自身の世界を広げるために、業種・業界を問わず、さまざまな会社・組織の人と関係を持てる企業がいいと考えました。
Photo:iStock /sanjeri
デロイト トーマツは世界に目を向けることができるという面でも、自分に合った会社だと感じています。
次に、「職種別採用」を実施していること
日系の大企業だと、今も総合職採用が根強く残っているように見受けられます。しかし自分はコンサルに興味を持っていたので、職種別採用の会社だけを見ることにしました。
最後に、「新卒向けの会社」であることです。
研修が充実していて、経験年数を問わず成果次第で昇進できる社風のほうが、新卒で就職する学生には有利ですよね。
私は役員のうちの新卒入社割合を調べたり、リアルな声をOB・OG訪問で聞き込んだりして、情報をキャッチアップしました。
堀池:自分は、「働くを楽しめる世界をつくりたい」「人材会社ではなく、人事に」「自分のキャリアは自分で決められる」という軸を重視していました。
働くことが「苦しい」というマイナスのイメージから、「楽しい」というプラスのイメージに変わる瞬間を、人事という立場から見てみたいと思ったからです。
学生時代は、父親の働き方を見ていて、働くことに対してあまりポジティブな印象を持っていなかったんですね。大学1年生の頃は、卒業したくない、働きたくない、ということばかり考えていました。
しかしスタートアップでのインターン経験を通じて、働くことの面白さを肌で感じたんです。
Photo:iStock / recep-bg
そして、周りの学生たちも抱いていた仕事に対するマイナスな感覚を、払拭することを仕事にしたいと思うようになりました。
── だから人事という仕事を選んだんですね。
堀池:インターンをやっていた時期に理系院生に就活インタビューをすることがあったのですが、その時に働くことがワクワクするものとして認識されていないと感じたことも影響しているかもしれません。
人材会社への就職も検討したものの、それだとお客さま企業が人を採用したタイミングでかかわりが終わってしまいます。自分はそれだとさみしいと思ったんです。
そんな思いを抱えながら自己分析を繰り返した結果、やはり自分は人の成長・変化に携われることが一番のモチベーションになると。だから、長い目で人の変化変容を見ることができる人事を希望することにしました。
Photo:iStock /SunnyVMD
幸い僕の場合は、インターンをしていた人事チームに採用していただけたので、希望しない部署に飛ばされることもありません。そのため、キャリアを自分で選択することができました。
もしキャリアの主体性を得ることができない職場なら、ユーザベースに新卒入社することはなかったと思います。

大事なのは「自分の言葉で話す」

安東:自分は
  • ガクチカを「今まで」のモチベーション
  • 志望動機を「これから」のモチベーション
と定義していました。
そして、面接官から見た時に2つのロジックを一貫させることを重視しました。もし前後の文脈がズレていたら、面接官が混乱してしまいますからね。
Photo:iStock/wenjin chen
もちろん、面接官の肩書や受ける会社に合わせて、ガクチカや志望動機で強調するエピソードを選んでいました。しかし話を盛ったり、うそをつくことはしないようにしていました。
堀池:私は最近面接官デビューをしましたが、相手が話を盛っていると、意外と分かってしまうものだと実感しました(笑)。経験を深ぼって聞いてみた時に、ボロが出てしまうんですね。
面接官をしてみて他に気づいたことは、学生には派手なエピソードを求めていないこと。それよりも、今まで何を考えて生きてきて、どのように問題に対処してきたかのほうが重視されます。
Photo:iStock /golubovy
応募側と採用側の両方を経験して感じたのは、面接で「ありのまま」を出せないのは良くないということです。
実際に自分が面接を受ける際には、言葉をかみ砕き理解してから、熱量を持って話すことに重きを置きました。
たとえ心から思っていることでも、台本を読むような話し方では、感情を伝えることはできません。
── 言葉をかみ砕くとは、具体的にどういうことでしょう?
堀池:例えば人事分野に「組織開発」という言葉があります。自分も面接のたびに、「組織開発にかかわりたい!」と話していました。
しかし、実際に自分の目指す組織開発の具体例を問われた時に、辞書に書いてあるような意味は思い浮かんでも、自分の言葉は出てこず、言葉に詰まってしまったんですね。
その経験から、定義が人によって違う言葉を、自分の実際の経験とひもづけることによって自分の言葉で定義していくようになりました。
それが言葉をかみ砕くということだと思います。
秋山:私も堀池さんのように、自分の言葉で話すというスタンスを大事にしていました。
自分の言葉といっても、何も一から言葉を創作するわけではありません。周りを過度に気にせず、腑に落ちる、自分自身が納得できる言葉で話すことが重要です
Photo:iStock /Christian Horz
面接は自分と面接官の会話に過ぎないと、達観してみるのもいいと思います。

疑いながらニュースを見よう

堀池:私はNewsPicksのアプリに、希望する企業をキーワード登録していました。
例えばですが、「ソニー」で登録すれば、電子機器からエンタメなどの事業に関するニュースはもちろん、ジョブ型採用などの就活時に必要な情報まで、自分で検索しきれない幅のタイムリーなニュースを集めることができます。
そして企業ニュースを読んでいる時に感じたことは、面接時に逆質問として利用しました。
安東:私は見出しで内容を予想してから、ニュースを読むことを心掛けていました。
例えば1月のNewsPicksに、【ゼロ解説】「なぜ値上げ?」がすぐ分かる、電気料金の超基本というタイトルの記事がありました。このようなニュース記事でも、なぜこの問題が起こっているのかを考えてから読む時と、そうでない時では頭を使う量が大きく変わりますよね。
「電力値上げは本当にウクライナ戦争のせいなのか」「電気料金自由化の影響を受けているかもしれない」などなど、自分なりの仮説を持って記事で検証することは、物事を考える練習になるはずです。
── ニュースを調べていて良かったと思ったエピソードはありますか?
安東:グループディスカッションや面接のお題として、企業と関係するトピックスが取り上げられることがよくあります。そのため情報をこまめに調べておいたことで、就活を有利に進められました。
中でも大事なのは、ニュースを通じて今何が論点とされているかを把握しておくことです。
学生同士で話し合う時も、面接で逆質問する時も、中で働いている面接官が問題と思っている論点を認識できていたら、自分が考えて行動している人であることが伝わるはずです。
秋山:自分はNewsPicksを、「本当にそうなのか?」「なぜ、そうなのか?」「だから何なのか?」という3つの視点からニュースを読む教材として利用していました。
Photo:iStock / Olemedia
ニュースや解説記事によっては、書き手の考えが過剰に反映されているものもありますよね。特に自分が詳しくない分野については、書かれた情報をそのまま受け取ってしまうこともあります。
しかし考え続けることが仕事になるコンサルでは、そのような受け身の姿勢ではいけないと思っています。
「本当に?」というアンテナを立てながら、毎日ニュースをチェックしてきたことは、今の仕事に直接つながっていると感じます。

就活は「企業との対話の場」

秋山:周りからのノイズを減らして、自分を信じたほうがいいということでしょうか。
実は私は就活後に、燃え尽き症候群となってしまったんですよね。負荷をかけていたことも原因ですが、何より他人からの目を気にしすぎていたことがストレスになってしまったのだと、今では思います。
元を正せば、人生もキャリアも自分主体のものです。
皆さんも、SNSでのキラキラ就活生アカウントや、就活がうまくいっているように見える周囲の友人たちと自分を比べるのではなく、本当にしたいことを探してみてください。
Photo:iStock/Feodora Chiosea
安東:私は就活前に戻ったとしても、会社のミッションや事業を最重視します。
確かに採用イベントの担当者や面接官が素敵な人だった場合、同じ会社に就職したいと考えることは自然な発想です。しかし人で会社を選んでも、必ずそこに配属されるわけではありません。
また、人本位で仕事を選ぶことで、就活の時期に深めるべき職種理解がおろそかになってしまう危険性もあります。あくまで人という基準は、本当に迷った時の最終判断で使ってみるといいと思います。
堀池:就活自体、多くの不安や悩みを抱えることだと思います。だからこそ、自分がストレスなく働くことができる会社を探して良かったです。
あくまで就活は、自分と企業とのマッチングでしかありません。もし採用されなかったとしても、それはたまたまその会社が求めていることが自分と違っただけ。気落ちしすぎず、次にいけばいいんだと思います。

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