(ブルームバーグ): 台湾積体電路製造(TSMC)が日本で検討している2番目の工場を熊本県・菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、24日付の日刊工業新聞が報じた。総投資額は1兆円以上の見通しだとしている。情報源は明示していない。

2024年末に稼働する最初の工場と同等規模以上で、5-10ナノメートルの先端プロセスを採用する可能性があると伝えている。稼働開始は20年代後半になる見込み。二つの工場で人材や設備を共有できる点を重視しており、23年内に詳細を決める方針だとしている。

ブルームバーグが経済産業省に取材したところ、報道は承知しているが、この件についてはコメントできないと回答した。

同紙は日本政府からの支援や、主要顧客の需要見込みについて水面下で交渉しているとみられると伝えた。日本政府は半導体の安定供給確保を経済安全保障上の重要課題に掲げており、昨年にはTSMCが現在ソニーグループなどと共同で約70億ドル(9429億円)を投じて菊陽町に建設中の工場に最大4760億円を助成することを決定していた。

同社の魏哲家最高経営責任者(CEO)は1月の決算発表会見で、日本に二つ目の工場建設を検討していることを明らかにしていた。

報道を受けて、24日午前の東京株式市場では関連銘柄が買われた。半導体製造装置の東京エレクトロンは急伸し、一時前営業日比6.7%高の4万7590円を付けた。SCREENホールディングスは同5.6%高の1万800円、アドバンテストは同8.8%高の1万990円、ディスコは同8.3%高の4万3600円まで買われた。一方、TSMCと共同で熊本に半導体工場を建設しているソニーグループ株は2.1%高の1万1350円を付けた。

 

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