[モスクワ 21日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は21日の議会演説で、米国との新戦略兵器削減条約(新START)の履行を停止すると発表した。

大統領は、条約から脱退したわけではないと説明。「ロシアの履行停止を発表せざるを得ない」と述べた。

その上で、国内原子力企業ロスアトムに必要に応じて核兵器実験ができるよう準備を指示。ただ「ロシアが最初に実験することはない。しかし米国が実験すれば、われわれも行う。世界の戦略的均衡が破壊できるという危険な幻想を抱くべきではない」と述べた。

新START条約は2010年に署名され、翌年発効した。2021年に5年間延長された。アナリストは、ロシアの履行停止で条約の継続的な順守確認が難しくなるとの見方を示した。

ペスコフ大統領報道官はタス通信とのインタビューで、米国との 核の均衡を確実にすることが「プーチン大統領とロシアの主要目標」と語った。

また、新START条約に言及した外交政策に代わる新たなロシアの外交指針を数日中に発表する見通しとした。

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