【新潮流】スタートアップ経営者が標準装備すべき、「信託型ストックオプション」のメリット
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注目のコメント
平川さんが仰るように、信託型SOは税務の取り扱いについて今は業界で話題になっています。
専門的な表現をなるべく排除して、本質部分のみを説明します。あくまで私見ですので容赦ください。
信託型SOは法人課税信託というスキームを使って、信託時に課税関係が完結する仕組みを利用します。SO発行時点ではSOを誰に割り当てるかを決めずに信託にSOを入れておく、割り当て者が決まった時点で受益権をその方に付与します。法人課税信託であれば受益権を付与した時点で課税関係が生じません。
また、有償発行のSOであるために権利行使時にも課税がされない、という立て付けでスキームが組まれます。メリットとしては未来の社員や幹部のために時価が低い時点でSOの発行が出来るために権利行使価格を低く設定できます(税制適格であるためには権利行使価格は発行時点の株式の時価以上でなければならない)
というのが、信託型SOの課税関係の通説でした。ですが、課税当局は今の税制でも権利行使時には課税すべきということを言ってきています。これはエライことです。改正ではなく、今の法律でもそのような解釈をすると言っているので、つまり取扱いは過去のSOまで遡ります。
論点は、①SOの発行+信託と、②受益権の設定+SOの付与、これを一連の行為と見るかどうかです。①と②は時点が当然異なります。
条文としては、権利行使時に課税するSOは『発行会社が与える』と記載があり、①と②を別行為と見れば、SOの付与は発行会社が行うのではなく、信託が行います。また、この信託は法人課税信託と言って税法上の法人格を有するので、この行為を発行会社が与えると読む解釈は無理があるように思います。
国税が課税に踏み切ればほぼ間違いなく裁判で争われるであろう事案ですので興味深いです。
本件は、懇意にさせて頂いている弁護士の川添先生がとても詳細にまとめられているので、リンクは貼らせて頂きますm(_ _)m
https://jtc-tokyo.com/download/02282023.pdfこれまでだと信託型SOの導入は多くの人が前向きに検討すべきという状況だったように思います。しかし、先週の国会で土田議員が信託型SOの税制について質問したことで話題になりましたが、このあたりが現時点で曖昧なので慎重に検討すべきだと思います。
46:20〜(衆議院インターネット審議中継)
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=54348&media_type=昨今スタートアップ業界で話題の「信託型ストックオプション」を開発した、コタエル信託代表の松田氏を取材しました。
「平等な世界をつくりたい──」そう語る松田氏の真意とは。そして信託型ストックオプションのメリットやポイントとは。わかりやすく解説します。