[ソウル 31日 ロイター] - 韓国サムスン電子は31日、2022年第4・四半期の営業利益が前年同期比69%減の4兆3000億ウォン(34億9000万ドル)になったと発表した。

8年ぶりの低水準で、今月6日に発表した暫定値と一致した。前年同期は13兆8700億ウォンだった。

景気悪化を背景に消費者の節約志向が強まる中、電子機器への需要が落ち込み、半導体価格の下落を招いた。

第4・四半期の売上高は8%減の70兆5000億ウォンとなった。

今年についてはマクロ経済を巡る根強い不透明感により上期は厳しい状況が続くが、下期に需要が回復し始める可能性が高いとの見通しを示した。

第1・四半期は半導体事業が引き続き需要低迷と在庫調整の悪影響を受け、スマートフォン需要は主要地域の景気減速により前年水準を下回る見込みだとした。

半導体事業の利益は第4・四半期に2700億ウォンと、前年同期の8兆8300億ウォンから急減。同社ウェブサイトによると、2011年の会計基準変更以来の低水準となった。

一部のアナリストは半導体事業が第1・四半期に赤字に陥り、全体の利益は第4・四半期を下回ると予想している。

メモリー半導体の価格は22年に2桁台の下落率を記録しており、第1・四半期にさらに下げると広く予想されている。機器の需要が低迷する中、メーカーなどの顧客は半導体の新規購入を控え、在庫を減らす動きを続けるとみられる。

モバイル事業でも第4・四半期の利益は1兆7000億ウォンと、前年同期の2兆6600億ウォンから減少。「インフレや地政学的な不安定性の継続」により、中低価格帯のスマホ販売が予想以上に落ち込んだ。

同社は今週、旗艦スマホ「ギャラクシーS」の最新機種を発表する。

<半導体事業への投資維持>

一方、サムスン電子は今年、半導体事業への投資を削減する計画はないことを示唆した。

こうしたガイダンスは、支出や生産を抑制するという業界全体のトレンドに逆行する。潤沢な資金と高い利益率を利用して、より小規模な同業から市場シェアを奪うことが狙いとみられる。

新韓証券のアナリストは「SKハイニックスやマイクロンを抑えて市場シェアを拡大する好機と見ているのかもしれない」と指摘した。

サムスンは、需要減退や価格下落に対応するために投資を減らすのではなく、製造ラインのメンテナンスや機器調整、先進的な製造工程への移行を通じて、生産を短期的に抑制することを示唆。また、設備投資のうち研究・開発向けの比率を引き上げる方針も示した。

23年の設備投資は前年と同水準になるとし、投資削減を既に表明している韓国のSKハイニックスや米マイクロン・テクノロジーと対照的な姿勢を示した。台湾積体電路製造(TSMC)も支出削減を発表している。

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