(ブルームバーグ): 米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社、米ブラックストーンは過去最大級のバイアウトファンド向けに最大300億ドル(約3兆9000億円)の資金を集めるという目標を掲げているが、ここにきて新たな現実に直面している。

ブラックストーンは2021年終盤に今回の取り組みの準備を開始し、23年上期での目標達成を期待していたが、日程を今年後半に先送りしたと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ブラックストーンは最終的な調達額について期待を下げてきている。

現時点ではブラックストーンは調達額が250億ドル程度と、従来の旗艦ファンドと同レベルになる可能性を指摘している。

昨年のインフレ高進に伴う市場の混乱を受け、機関投資家のポートフォリオは株式・債券の下落でPE向けエクスポージャーが突然過剰な状態になった。ブラックストーンの資金調達担当者は、日程通りに目標額を達成できるか懸念を一部で漏らしていたと、関係者の1人が語った。 

ブラックストーンのジョン・グレイ社長は26日の22年10-12月(第4四半期)決算発表後の電話会議で、「われわれはPEファンドの資金調達が困難な中にあって、以前のファンドとだいたい似たような額を集めるだろう」と語った。3カ月前には、少なくとも以前のファンドと同等の資金が集まるとの見通しを示していたのとはトーンが変わっている。ブラックストーンは過去1年の間に、顧客に対し最大275億ドルを集めたい意向を示していたこともあったと関係者の一部が語った。 

ブラックストーンの担当者はコメントを控えた。

原題:Blackstone Coming Up Short in Push for Record Buyout Fund (1)(抜粋)

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