[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米国株式市場は続伸し、不安定な展開となった今週の取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控える中、経済指標や企業の業績見通しは需要軟化の可能性と経済の底堅さ双方を示している。

週足ではS&P総合500種とダウ工業株30種が過去4週間で3週値上がり。この日上昇が目立ったナスダック総合は4週連続での値上がりとなった。

カーソン・グループのチーフマーケットストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「記録的に好調な月となる方向に進む中、堅調な1週間の終わりを飾るにふさわしい動きとなった」とし、「インフレが速いペースで鈍化しているという認識が浸透し、経済を巡る懸念は和らいでいる」と述べた。

米商務省が27日発表した2022年12月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減った。PCE価格指数の前年同月比伸び率は5.0%と、21年9月以来1年3カ月ぶりの低水準となり、需要の後退とインフレ鈍化を示した。

前出のデトリック氏は、最近発表されたインフレ指標と整合する内容になったと指摘し、「サプライチェーンを巡る状況の改善が継続し、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げサイクルを停止する道を開く」と述べた。

S&P500の主要11部門のうち、一般消費財が上昇を主導する一方、エネルギーは2%安となった。

米企業決算シーズンは本格化し、S&P500構成銘柄のうち143社がこれまでに発表を終えた。リフィニティブによると、そのうち67.8%が市場予想を上回っているものの、過去4四半期の76%を下回っている。

インテルは6.4%安。第1・四半期が赤字となる見通しを示したことが嫌気された。

シェブロンも4.4%安。昨年の通年決算は調整後純利益が365億ドルと過去最高になったものの、第4・四半期の利益は市場予想を下回った。

クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)は10.5%高、競合のビザは3%高。

アメックスの23年通年の利益見通しは市場予想を上回り、景気を巡る不透明感が個人消費を圧迫するという懸念を和らげた。ビザも、堅調な個人消費を背景に22年10─12月決算が増収となった。

来週はFOMCのほか、1月の米雇用統計が注目されている。また、アップルやアマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ・プラットフォームなどが決算を発表する。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.40対1の比率で上回った。ナスダックでも1.34対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は118億8000万株。直近20営業日の平均は111億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 33978.08 +28.67 +0.08 33952.9 34164. 33830.

3 33 85

前営業日終値 33949.41

ナスダック総合 11621.71 +109.30 +0.95 11470.4 11691. 11470.

7 89 27

前営業日終値 11512.41

S&P総合500種 4070.56 +10.13 +0.25 4053.72 4094.2 4048.7

1 0

前営業日終値 4060.43

ダウ輸送株20種 14483.33 +191.14 +1.34

ダウ公共株15種 967.82 +1.08 +0.11

フィラデルフィア半導体 2945.27 -21.33 -0.72

VIX指数 18.51 -0.22 -1.17

S&P一般消費財 1150.81 +25.57 +2.27

S&P素材 525.46 -1.78 -0.34

S&P工業 855.73 +3.00 +0.35

S&P主要消費財 762.14 -1.93 -0.25

S&P金融 603.02 +0.30 +0.05

S&P不動産 253.70 +2.37 +0.94

S&Pエネルギー 700.58 -14.19 -1.99

S&Pヘルスケア 1547.92 -10.80 -0.69

S&P通信サービス 182.90 +1.60 +0.88

S&P情報技術 2385.90 +10.50 +0.44

S&P公益事業 350.27 -0.11 -0.03

NYSE出来高 8.03億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 27455 + 95 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 27415 + 55 大阪比