[東京 27日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比18円43銭高の2万7381円18銭と、小幅に反発した。米株高を好感して小高く始まったが、日銀の政策修正への思惑や米企業業績への懸念が重しとなりマイナスに転じる場面があるなど、強弱材料が入り交じって方向感を欠いた。

日経平均は60円高と小幅高でスタートし、90円高程度に上値を伸ばした。米国市場では実質国内総生産(GDP)が予想を上回ったことで景気懸念が和らいで株高となり、東京市場でも好感する動きが先行した。

その後は徐々に上げ幅を縮め、一時マイナスに転じ35円安に下げを広げる場面もあった。「日銀が追加で政策修正するとの思惑が意識され相場の重しになった」(国内証券のストラテジスト)という。

朝方に発表された東京都区部の消費者物価指数(コアCPI)が1981年5月以来の伸び率となり、思惑につながったとみられる。金利先高観から銀行株が堅調だった一方、不動産株は弱かった。ドル/円が軟調で、輸出関連株などの上値を抑えた。

米半導体大手のインテルが市場予想を下回る低調な業績見通しを示し、時間外取引で株安となったことも嫌気された。半導体関連株は、朝方は前日の米ハイテク株高を受けて底堅かったが、軟調に転じた。

日本株は先週末から今週前半にかけて大きく上昇したが「ショートに傾いていた向きが買い戻しを余儀なくされて株価は戻ってきたが、それ以外に買いたい理由は見当たらない」(ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役)との声が聞かれる。

足元では日米で企業決算シーズンが続いており「これから出てくる発表での下方修正が警戒され、株価の戻りはいっぱいいっぱい(限界)ではないか」(菊池氏)という。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた週末でもあり、利益確定売りが出やすい側面もある。

TOPIXは0.07%高の1979.85ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆4053億2000万円だった。東証33業種では、値上がりは銀行業や化学工業、卸売業など17業種で、値下がりは海運業や精密機器、医薬品など16業種だった。

前日に社長交代を発表したトヨタ自動車は横ばい。「目先の経営への影響は限定的」(別の国内証券のアナリスト)との見方もあり、大きな値動きにはならなかった。好決算を発表した信越化学工業が大幅高。三井住友FGは堅調だった。一方、アドバンテストや野村不動産HLDGが軟調。日本郵船は大幅安だった。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが871銘柄(47%)、値下がりは849銘柄(46%)、変わらずは115銘柄(6%)だった。