日銀 拡充した資金供給策を初実施 約1兆円供給で長期金利低下
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効果は非常に大きく、金利低下、2円の円安、300円を超える株価上昇となりました。日銀の政策は緩和か引き締めか、どっちが良いのか見方は割れています。しかし、逆の金利上昇、株安、円高と比較すれば、どっちが良かったのか、もはや明白ではないかと思います。
注目のコメント
10年物国債のところで大きく歪んでいたイールドカーブは、10年物の金利を引き上げ他の年限の国債を買って金利を下げて正常化するとの日銀の思惑と異なり、1月の決定会合前には全体、特に10年より短い期間が上方に押し上げられたうえ10年物のところで12月の修正以前にも増して歪む形になりました。日銀を打ち負かして大儲けした海外の投機筋が勢いに乗って更に攻勢を強めた結果でしょう。
自ら国債を買うだけでは間に合わなくなった日銀が、本来は短期資金の供給手段である共通担保オペを捻じ曲げて使ってタダ同然の低い金利の長期資金を身内の金融機関に配って国債を買わせる挙に出たのが1月の“修正”だったように思えます。1月20日時点のイールドカーブを見る限り全体の金利が下がって歪みは減ったようですが、10年物のところで歪んだ形は12月の政策修正前と変わらず、利上げではないとの日銀の意に反してイールドカーブ全体が押し上げられた状態にあることは変わりません。
身銭を切って低利の長期資金を銀行に配ってそれより若干金利の高い国債を買わせてイールドカーブを引き下げる或る種異常な政策は、もともと禁じ手である長期金利のコントロールに輪をかける手段だろうと私は感じます。それをいよいよ実際に発動する事態になったわけですね。
身内の銀行を儲けさせて金利を下げるのですからそりゃ金利は下がるでしょうし投機家勢も一旦は痛い目を見るでしょう。しかし、異常な政策が長続きするとも思えません。日銀が作り出す歪みを狙って再び攻勢を強めるんじゃないのかな・・・ 日銀が無事に切り抜けてくれることを日本の未来のために念じつつ、多少の不安を感じないでもありません。次の総裁は大変そう (・・;用語がかなりテクニカルでわかりにくくなっていますが、要は「中央銀行による長期固定金利での低利融資」となります。
このオペレーションを何故他の国がやらないのかと言えば、「中銀財務への中長期的影響」などいろいろな理由はありますが、最大の理由は、超緩和政策を未来永劫続ける訳にもいかない中、「政策を変える際の市場調節負担がその分後々大きくなる」ということが大きいと考えられます。
例えば、インフレ懸念が高まる局面で流動性を吸収しようとする場合、「既に過去、固定金利で長期で供給済みの流動性が溜まっている」ことになるため、その分余計に流動性を吸収しなければならない、といったことが考えられる訳です。
いずれにしても、日本の金融政策は他国の政策当局にとっても、また長い目でみた歴史的検証の対象としても、興味深い事例を提供しているように思います。