(ブルームバーグ): ブラジルとアルゼンチンは単一通貨創設を巡る議論を再び開始する初期段階にある。

南米の2大経済国である両国は数十年にわたり、域内におけるドルの影響力に対抗するため通貨統合に向けた選択肢をしばしば検討してきたが、根強いマクロ経済面の不均衡や同構想への政治的な障害により実質的な前進はほとんど見られていない。

ブラジルの政府当局者1人によると、今回の動きはアルゼンチン当局が呼び掛けたもので、極めて初期段階であり完了までの期限もない。協議は非公開だとして、同当局者が匿名を条件に語った。ブラジル側は協議を行うことに同意したに過ぎないという。 

アルゼンチン大統領の報道官は通常の勤務時間外の取材に対し、すぐには返答しなかった。

ブラジルのルラ大統領とアルゼンチンのフェルナンデス大統領は23日にブエノスアイレスで会談を予定しているがその前日に、アルゼンチンの新聞ペルフィルに共同声明を寄稿し、両国通貨を共通化することは域内貿易のてこ入れに役立ち得るとの見解を表明。また「金融および商取引で利用可能な南米の共通通貨を巡っても議論を推進することにした」と説明した。

 アルゼンチンのマサ経済相は21日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、同国とブラジルは他の中南米諸国も招く意向だとしながらも、商取引での統合には多くの時間がかかるとして、いかなる「誤った期待」も醸成したくないとの考えを示している。

原題:Brazil, Argentina Look to Renew Talks on South American Currency(抜粋)

--取材協力:Carolina Millan.

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