(ブルームバーグ): 動画配信サービスの米ネットフリックスを20年余り率いてきた共同創業者のリード・ヘイスティングス氏が共同最高経営責任者(CEO)を退任する。同氏とともに長年にわたり経営に携わってきたテッド・サランドス氏とグレッグ・ピーターズ氏にポジションを譲ることになった。

既に共同CEOを務めるサランドス氏はハリウッドで対外的な顔となっており、最高執行責任者(COO)だったピーターズ氏は製品開発や広告導入を統括してきた。ヘイスティングス氏(62)は今後、執行会長に就く。

ヘイスティングス氏はブログに「取締役会は何年も後継計画を協議してきた」とした上で、「取締役会と私は、私の後継を完了させる時だと確信している」と投稿した。

同社が19日発表した昨年10ー12月(第4四半期)決算では、会員数が766万人増加。アナリスト予想平均の450万人増を軽々と上回った。売上高は78億5000万ドル(約1兆80億円)と市場予想並みだった。一方、1株利益は12セントで、前年同期を大きく下回った。同社は利益率とフリーキャッシュフローが今年、改善すると見込む。

発表を受け、ネットフリックスの株価は通常取引終了後の時間外取引で一時約6%上昇した。パラマウント・グローバルやウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーも時間外取引で値上がりした。

サランドス、ピーターズ両氏はメディア業界が激動の時期にネットフリックスのかじを取ることになる。同社は昨年の会員数の伸びについて、DVD郵送サービスから動画配信サービス事業を切り離した2011年以降最も低調だったと発表したばかりだ。株価が昨年に半値になったほか、ネットフリックスを芸術のチャンピオンとかつて称賛した制作担当者の一部が、同社の倹約志向の高まりを受けて同社を離れた。

一方、番組面ではネットフリックスにとって最も好調な年の一つだった。「ウェンズデー」は同社のテレビドラマとして過去3番目に人気が高く、「トロール」は同社の外国語映画として最も視聴された。「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」はこれまでで4番目に人気の映画となった。ニールセンによると、10-12月の各週で動画配信視聴の上位10タイトルのうち、8割強がネットフリックスの作品だった。

決算発表後にピーターズ氏はアナリストのジェシカリーフ・エーリック氏とのインタビューで、「大きな戦略シフトやカルチャーの大きな変化はない」とし、「現時点で予定している一連の変更はない」と語った。

原題:Netflix’s Hastings Gives Up CEO Title; Peters Named Co-Chief (2)(抜粋)

(6段落目以降に背景や配信作品を追加して更新します)

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