ユニコーン思考の賞味期限 拙速な成長シナリオ通じず
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注目のコメント
日米のスタートアップに精通する日経の村山さんが『ユニコーン思考』に警鐘を鳴らされています。
(メドレーの事例や、私のコメントや当社レポートも掲載頂いています)
特に最後の一節が本質的で
----(引用)----
5カ年計画は内外のVCへの公的資本投入も盛り込んだ。ユニコーンか否かは投資家の企業価値評価で決まる。
政府の意向を忖度(そんたく)し、投資家が手心を加える心配はないか。成長資金を得ようと上場をめざすスタートアップに「ユニコーンの定義から外れる」と待ったをかける懸念はないか。
「ユニコーン100社」が目的化すれば、時間と資金を浪費する「惨事」を招きかねない。
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日本からイノベーションや世界で戦える会社を生み出す上でスタートアップの育成強化は全く異論ありません。
しかしユニコーンと『未上場』の会社に絞る必要がどこにあるのでしょうか?
旧マザーズ市場が海外のレイトステージを代替し、毎年100社近く上場してきたことで、上場後のステージに多くの有望なベンチャー/スタートアップが存在するのが日本のベンチャーエコシステムの特徴です。
今月、経産省から発表されたレポートでも初値時価総額 300億円未満で上場した会社でも時価総額 1000億円以上に到達した会社が51社もあります。
P15 初値時価総額別の1000億円到達企業
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000586.pdf
未上場も上場後も地続きです。
上場後の成長を促せるポイント(=現時点では課題)がまだまだあるのに、そこから目を背けることになりかねない目標設定はとても勿体ないです。
政府やスタートアップエコシステムに携わる全ての皆さんに届いて欲しい記事です。ユニコーン100社創出が岸田政権の「スタートアップ育成5カ年計画」に盛り込まれていましたが、そもそもユニコーンを追うというのはメディアと外野(場外?)だけなんじゃないかなと思います。
上場企業とは異なり、未上場企業では100万株発行して、1株10万円で買う人が1人いれば、ユニコーンになります。投資家はユニコーンに投資をしたら名が上がりますが、まともな人はいつ投資をして、何をしたのかを見ると思います。スタートアップ側も当然ながら企業価値最大化を目指す通過点としてユニコーンなので、何年後にユニコーンにすると言っている起業家でまともな人は見たことがありません。
ただ、誰でもわかる指標としては優れていますし、他の指標を掲げるのも難しいところ。自分は、日本のスタートアップ全体としては、過度なリスクテイクより過小なリスクテイク(エグジット含め)の方が課題だと思っているので、本記事とは異なる意見。
FTXやTheranosについて出ていて、これらの不正などを許容する必要は全くない。一方で、成長のためにリスクマネーを投資して、臨界点をちゃんと超えることができるかというのは、世界的な競争の中で重要。それで勝ったのがアメリカ。
また、不正について、限られた株主が影響を受けるのは、まさに自己責任。なので非上場企業については、TheranosとFTXでは、FTXの方がユーザーの取引停止など含めて、はるかに社会的な悪影響が大きいと思っている。
手段とか数値の目的化は、あまり好きではない。
ただ、様々な分散的な動きがあるときに、一つに束ねた分かりやすさはときに必要だと思っている。アベノミクス・伊藤レポートで「ROE8%」という数値が出て、日本の上場企業全体が動いた。
まずはそれで立ち上げて、そのあとに出てきた反省を改善していくくらいでいいのではないかと思っている。