[東京 17日 ロイター] - 日銀の正副総裁3人の後任人事について政府が2月10日を軸に国会に提示する方向で調整していることがわかった。複数の政府・与党関係者が17日までに明らかにした。

日銀の黒田東彦総裁は4月8日、雨宮正佳副総裁と若田部昌澄副総裁は3月19日に任期満了を迎える。

日銀正副総裁人事は衆参両院の同意が必要な国会同意人事案件。政府は1月23日に開会する通常国会会期中、複数の機関の国会同意人事案を数回に分けて提示する予定。日銀の人事については、国会開会後2度目の国会同意人事提示の際に盛り込む方向で調整している。

正副総裁の所信聴取については、衆院では2月16、17日、参院は20、21日にも実施する案が政府・与党内で浮上している。

国会の情勢次第では提示日程は変更される可能性がある。「数日、早まる可能性もある」(財務省幹部)という。

次期日銀総裁の人選に関し岸田文雄首相はこれまで「4月の時点で最もふさわしい人材を考えていく」と述べるにとどめている。日銀との連携については、新総裁とともに「状況をしっかり判断して物事を考えていく」としている。

ロイターが5-12日に実施した民間エコノミスト調査では、日銀の次期総裁に就任する可能性が最も高い人物は、雨宮正佳・日銀副総裁を予想する声が回答者24人中16人と全体の6割を超え、最多となった。次いで中曽宏・前日銀副総裁(4人)、山口広秀・元日銀副総裁(2人)、浅川雅嗣・元財務官(2人)だった。